ネオ・デジタルネイティブ世代との付き合い方:内田恭子の「日常で触れたプロフェッショナル」(1/4 ページ)
平成生まれのわが子たちは「デジタルネイティブ世代」だと思っていたら、実はその先を行く「ネオ・デジタルネイティブ世代」だそうです。そんな彼らを日々見ながら、いろいろと感じることがありました。
皆さま、新年明けましておめでとうございます。
平成が終わる今年。今までなら和暦を西暦に計算し直さなければならない煩わしさから、西暦に統一したらどんなに楽なのか、なんて思っていた私も、平成という時代が終わるとなると何だか感慨深い。昭和から平成に変わるときは米国にいたため、あまりその移り変わりを知らない私にとっては、大事な瞬間に立ち会えるというドキドキもある。
ところで私は昭和生まれ。2人の子どもたちは平成生まれ。そして未来の孫たちは新しい元号生まれとなる。いや、もしかしたらさらに次の元号生まれかもしれない。こうなると、おばあちゃんとなった私はどれだけ大昔の人間に見られるんだろうか。今でいう明治生まれのおばあちゃんか。でも、それはそれで趣あるかな。なんてどうでもいいことをぐるぐる考える。
相変わらずこんな感じに今年も日常のささいなことをぼやくエッセイとなりそうですが、よろしければどうぞお付き合いください。
アナログ派のわが家
先ほども出てきたが、平成生まれのわが子たちは、もろ「デジタルネイティブ世代」。
……と思いきや違うんですね。電通メディアイノベーションラボによると、1976年以降に生まれて、主にPCでネットを駆使する人々がデジタルネイティブに相当するらしい。「おお! ぎり76年生まれの私もデジタルネイティブではないか!」と小躍りする。いまだにInstagramの投稿はできても、ストーリーのやり方とかいちいち人に聞かないとできない私でも、一応はその世代に入るらしい。
時代はさらに進化し、主に96年以降のモバイル機器でネットを駆使して、動画情報をも自由に操る若者は「ネオ・デジタルネイティブ」と呼ぶらしい。では、わが家のボーイズもこのNDN(実際にこうは略さないかもしれないけれど、ここでは長たらしいのでこうさせてください)世代になるわけなのだ。
確かにボーイズを見ていると、さすがNDN世代と思わせる言動はちらほら。わが家の育児は基本アナログ派で、特別な時以外はタブレットやスマホはあまり見せない。それどころか、テレビも、自分がこのような仕事をしているにもかかわらず、日々のニュースかスポーツか、NHK「ダーウィンが来た!」とその後に続く大河ドラマしか見ていない。
そのせいか母親である私の職業がよく分かっておらず、ママはアナウンサーというのも友だちから聞いて知ったようだ。「そうなんだよー」と普通に答えると、「そうか、だからママのポスターが貼ってあったんだ」とか「だからタモリさんとお仕事してたんだ」なんて、意外にも子どもたちも落ち着いた感じである。さすがNDN世代はメディアとの距離も近い。それくらいのことでは驚かないようだ。
まだうちの子が2歳くらいだった時。テレビの画面の前に立って、一生懸命に指を動かしていたことがあった。最初は何をしていたのか分からなかったけれど、よく見ると画面を変えようと指でスライドさせていたのだった。ほとんどタブレットを持たせたことはなかったからこれにはビックリ。親の仕草をよく見ているのである。今では何かを調べたいときは、私のスマホに向かってSiriに喋りかけていたりする。私だってほとんどその機能使ったことないのに! いくらデジタルネイティブ世代だったと喜んでいても、NDN世代との差は明確。
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