注目の「カスタマージャーニーマップ」でユニクロを分析 “顧客視点の想像力”を鍛えよう!:ビジネスに役立つフレームワークを知る(3/5 ページ)
顧客の価値体験プロセスを可視化する手法「カスタマージャーニーマップ」が注目されています。実際に作成してうまく活用するには、どうしたらいいのでしょうか。大手企業を分析しながら解説します。
当記事でも自社と同じような価値を提供している競合企業として、ユニクロをピックアップし、実際にサービスを体験することによって収集した顧客視点での情報をカスタマージャーニーマップに整理していくという流れで、作成手順をご説明します。
競合他社についての情報を収集している段階では、定量情報を集めるには限界がありますが「どのような瞬間に何を感じたか」「何が意思決定の要因となったか」といった情報に力点を置いて、実際に1人の顧客として集めていきます。また、自分自身がペルソナの人物像と懸け離れている場合には、ペルソナに設定した人物像に近いメンバーと共に情報収集し、顧客視点のイメージをつかむのが良いでしょう。
収集した情報に基づいて、顧客が体験するプロセスを主要な段階に分類します。例えば「(商品の)購入」をゴールとした場合に、「認知・情報収集・店舗への来店・購入」といった段階に分けることができます。
3.各プロセスでの行動とタッチポイントを整理
次に、分類した各プロセスにおいて、顧客がどのような行動をとっているかを整理していきます。この時、顧客がその時々でどんな媒体を通じて、企業が提供する価値に触れているかを表す「タッチポイント(顧客接点)」を合わせて整理します。タッチポイントにはWebサイト、ブログ、アプリ、予約システムなどのオンラインのモノから、店舗や店員、商品ディスプレイ、チラシ、クーポンといったアナログのモノまで含みます。
4.各プロセスでの心理状況を整理
各プロセスの行動中、顧客がどのようなことを感じているか、考えているか、その心理状況を書き出します。どんな心理の時に次のプロセスに進み、どんな心理の時には進まず離脱するのか? あるいは停滞するのか? ということを考えてみると良いでしょう。
関連記事
- 売れない営業マンが知るべき、2つのフレームワーク
精一杯がんばっているのに営業成果がなかなか上がらない――。ついついこんな言葉を口にしたことがある人も多いのでは。仕事をしていると、なぜこのような不満が出てくるのか。その理由は……。 - 「お客様満足度」を高めることばかり、考えてはいけない
顧客満足度を高めることが大切――。このことを信じて疑わない企業も多いだろうが、実は“そこそこ”でいいことが分かってきた。顧客満足度の結果と将来の顧客ロイヤルティーの間に統計的な関係はなくて……。 - ガチャ切りされない電話術、勝負は最初の15秒
「仕事で電話をするのは苦手」という人も多いのでは。では“ガチャ切り”されないためには、どうすればいいのだろうか。勝負は最初の15秒であって…… - 「値上げはしない」苦境の吉野家が挑む“初めてのマーケティング”
コスト高にあえぐ吉野家が“初めてのマーケティング”に挑戦。新型店舗で女性客を取り込み多彩なクーポンも発行。今後は単価を高くするメニュー提案も。 - 700台のカメラを設置して、スーパーの「トライアル」は何を分析しているのか
スーパーマーケットの「トライアル」が、近未来を感じさせられる店舗を構えた。店内には700台のカメラを設置して、人の動きや商品棚をウォッチしているという。最先端の技術を導入して、どんなことが分かってきたのか。 - スゴ腕営業マンが実践する、「振り子の法則」とは何か
モノやサービスが溢れているので、「何を選んでいいのか分からない」といった人も多いのでは。そうした消費者が多いなかで、営業の担当者はどのように売り込んでいけばいいのか。「快」と「不快」の感情を揺さぶることで……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.