「省庁や大企業の生産性は低い」は本当か?:幸せと生産性を考える(1/4 ページ)
この連載の最終回では、大企業や省庁で働くビジネスパーソンが、幸福度や生産性についてどう考えているかについて見ていきます。
サイボウズ チームワーク総研のなかむらアサミです。この連載では、サイボウズ チームワーク総研と、コンサルティング会社のスコラ・コンサルトとの共著で、「生産性と幸せ」をテーマに、皆さんと一緒に考えてきました。
これまで、幸福度と生産性について、50年変わらない日本人の生産性や、私の所属するサイボウズが激変した話、米国企業と日本企業の違いや、会議のチェックリストなど、さまざまなことを書いてきました。
最終回となる本稿では、私たち筆者とは別の立場のビジネスパーソンが幸福度や生産性についてどう考えているか、この点を議論したいと思います。実際に、大企業および省庁で働く方にゲスト参加してもらい、執筆陣とともにディスカッションした内容をお伝えします。
大企業の定義はさまざまですが、今回ご協力いただいたのは、従業員が連結で約7000人、創業110年を超える、誰もが知るメーカーに勤務するAさんと、ある省庁で勤務されている国家公務員のBさんの2人です。
自分の生産性と幸福度はどこ?
執筆陣とゲストで放談が始まり、まず話題になったのは、生産性と幸福度の4象限のどこに自分がいるかでした。
いきなりこうした話題を振るのもどうかと思いつつ、なぜそこに〇をしたのか、などを話していくと、仕事への思いも出てきたりして、かなり盛り上がりました。
読者の皆さんは、自分の「幸福度と生産性」について、どこに丸をつけますか?
少し考えてみてください。
次に、AさんとBさんには「現在所属しているチーム」の生産性と幸福度について丸を付けてもらいました。
省庁のBさんが丸を付けた部分は、ココでした。
直近に省内で所属していたチームが「幸福度も生産性も高いチーム」だったとのこと。それはどんなチームだったのでしょうか。
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