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ちょっとした工夫で“ホクホク”! 家庭用「焼き芋メーカー」の開発秘話あの会社のこの商品(4/6 ページ)

特定の料理づくりに特化した調理家電は便利な半面、汎用性に乏しく、買っても次第に使われなくなる恐れがある。しかし、工夫すれば日常使いできる汎用性を持たせることができ、ヒットにつなげることが可能だ。そのことを示したのがドウシシャの「焼き芋メーカー Bake Free」である。

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テレビがきっかけで人気に火がつく

 焼き芋メーカーを開発する上では困難らしい困難に直面しなかったが、榑林氏は「焼き芋をつくるためだけの家電が受け入られるかどうかが不安だった」と打ち明ける。

 まず、「焼き芋をつくるためだけに1万円近くも払ってくれるのか?」と、営業が疑問視した。

 「焼き芋はスーパーなどで、1本数百円程度で買え、どんなに高くても1000円を超えることはありません。しかし、焼き芋メーカーは当社提案で税抜1万880円と、決して安くありません。価格の高さが懸念されました」


開発を担当したドウシシャの榑林(くればやし)利之氏

 また、家電量販店のバイヤーも当初は、半信半疑だった。社内での懸念同様、安価な焼き芋をつくるにしては値が張ることから、最初はテスト的に仕入れる程度だった。

 様子をうかがうような売り方から流れが変わったのは、テレビで紹介されるようになってからだ。独自性の高さから情報番組などで徐々に紹介されるようになり、人気に火がついた。高めの売価が折り合わず取り扱いに消極的だったホームセンターなどでも、話題になるにつれて取り扱うところが増加していった。

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