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負債総額439億円、破綻した英会話教室「NOVA」はなぜ再起できたのか:多様化するニーズ(2/4 ページ)
2007年10月、英会話教室「NOVA」を展開していたノヴァは439億円という巨額の負債を抱え事実上の倒産に陥った。そんなNOVAの生徒数が、いま右肩上がりに伸びているという。隈井恭子社長にこれまでの道のりを聞いた。
“プラン売り切り型”からの脱却
NOVAは新体制の下、まずは問題視されていた支払い方法の見直しに着手した。
受講料の前払い制度に対しては世間からの批判が集中していたが、この当時の英会話業界では一般的な支払い方法だった。決してNOVAだけが特殊な支払い方法を採用していたというわけではない。
今でこそ当たり前となった「月謝制」は、これに代わる流れでNOVAに導入された。この切り替えに伴い受講プランを拡充させ、現在提供している「1万円ポッキリ留学」「2万円マンツーマン留学」ような定額制プランなども用意した。
このように料金体系を明瞭化する商品戦略に転換したことや、高額な入会金などを改めたこ結果、NOVAに通い始めるハードルを下げ、生徒獲得への一つの足掛かりとなったという。
NOVAの校舎であればどこでもレッスンを受講できる仕組みを整え、くつろいだ雰囲気の中でレッスンを受けられるように校舎の内装をカフェ風に改装するなど、“プランを売ったら終わり”の時代にはあまり重点を置いていなかった「通いやすい英会話教室」「継続して通いたい」と思わせるための環境づくりにも取り組んだ。
このような改善を積み重ねたことで、NOVAは生徒からの信頼を徐々に取り戻し、事業の軌道修正を行っていった。
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