連載
バイトテロの社会問題化で何が進むのか?:“いま”が分かるビジネス塾(2/3 ページ)
飲食チェーンなどでアルバイト店員が悪ふざけする動画が次々と公開されたことが社会問題となっている。いわゆる「バイトテロ」だ。こうした事態に対して今後企業の取り組みも変わってくるだろう。
安価な賃金で大量に雇用すれば、一定割合で不祥事は発生する
世間一般では、不適切行為を行った店員に対して「厳罰に処すべきだ」といった意見が大半を占めている。一連の行為は到底許容されるものではなく、こうした意見は正論そのものだが、事はそう簡単には運ばないだろう。
くら寿司が、問題を起こした店員に対して法的措置を検討していると発表したのは、顧客の信頼回復と同時に、アルバイト店員に対する抑止効果を狙ったものと考えられる。だが、現実問題として、こうした行為を行ったアルバイト店員に対していちいち法的措置を取っていては業務が回らなくなってしまう。
アルバイト店員は、在職期間が短いため、全員が企業や業務に対して高いロイヤリティを持っているわけではない。低賃金で大量のアルバイト店員を雇用すれば、何かしらのトラブルは避けられないだろうから、一連の不祥事は構造的な問題といってよい。
Twitter、InstagramとSNSが進化するたびにこうした不祥事が発生してきたということは、近い将来、さらに強力なSNSが登場してくれば、スケールが大きくなった形で同様の不祥事が再発生する可能性は高い。
問題が構造的である以上、今のままの体制では根本的に不祥事の再発を抑えることができないので、企業の側は抜本的な対策について考えざるを得ない。具体的には機械化の進展と外国人の雇用促進である。
関連記事
- マカオ転職で給料4倍! このままでは日本の賃金が危ない!
今や日本はアジアの中でも賃金が安い国となりつつある。日本人が仕送りなどを目的にアジアに出稼ぎに行くようになる日はそう遠くないのかもしれない。 - ニッポンの職場が激変? 年収大幅減、下請けに丸投げなどの懸念も
2019年4月に働き方改革関連法が施行される予定だ。しかし、対応が十分にできている企業は少ない。今の状態で法律が施行されると、年収の大幅減や中小企業におけるサービス残業の横行、生産の縮小などの悪影響が懸念される……。 - 日本のために「手書きの領収書」をなくすべきこれだけの理由
多くの人が日常的に使用している「手書きの領収書」。社会のIT化が進むにつれて、従来の慣習が合理性を失うケースが増えており、こうした手書きの領収書や紙ベースの請求書などは、そろそろ見直す時期に来ている。 - 銀行マンが転職できるか真面目に考えてみた
メガバンクの大規模な人員削減計画が大きな話題となっている。そこで注目されるのが銀行マンの去就だが、彼らが他業種に問題なく転職できるのか考察してみた。 - 転職が増えないと、社会のAI化は進まない?
AI化が進むと人間の仕事の多くが失われるという話は社会の共通認識となりつつある。しかし、現在の労働市場のままでは、AI化そのものがスムーズに進まない可能性もあるのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.