銀行マンが転職できるか真面目に考えてみた:“いま”が分かるビジネス塾(1/3 ページ)
メガバンクの大規模な人員削減計画が大きな話題となっている。そこで注目されるのが銀行マンの去就だが、彼らが他業種に問題なく転職できるのか考察してみた。
メガバンク各行が大規模な人員削減計画を打ち出したことで、銀行マンの去就が注目されている。一般に銀行マンはハイスペック人材とされており、他業種での活躍が期待される一方、業務の特殊性や企業カルチャーの問題などから、ツブしがきかないとも言われる。銀行マンが他業種に転職できるのか考察してみた。
銀行出身者は中小企業の経営を支える人材になれるのか?
2017年末、メガバンク各行は大規模な人員削減計画を明らかにした。三菱UFJフィナンシャル・グループは9500人分の業務量削減、三井住友フィナンシャルグループは4000人分の業務量削減、みずほフィナンシャルグループは1万9000人の人員削減となっている。
厳密に言うと、明確に人員削減に言及しているのはみずほだけで、三菱UFJが掲げた9500人というのはあくまで業務量の削減である。だが、各行とも大規模な人減らしを狙っているのは明らかであり、実際、金融業界ではそのように受け止められている。
人手不足が叫ばれている中でのリストラだけに世間の注目度は高く、銀行を去った人材がどこに転職するのか多くの人が関心を寄せている。金融庁が銀行による人材紹介業務を明文化したこともあり、一部からは、中小企業に対する人材の押し付けになるのではと懸念する声も上がっている。
みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は専門紙のインタビューにおいて、人員削減計画に伴って銀行から転出する人材について、中小企業やベンチャー企業の財務担当者になり得るとの見解を示している。財務や経営が分かる人材のニーズが多いというのがその理由だ。
確かに財務や経営に精通している人は絶対数が少なく、こうした人材が中小企業やベンチャー企業の経営に重要な役割を果たすというのは一般論としては合っているだろう。だが、佐藤氏の主張については懐疑的な見方が多いのも事実だ。
筆者は以前、投資会社に勤務した経験があり、財務は専門領域の1つである。その後、自身でコンサルティング会社を立ち上げたので企業経営に従事したこともある。筆者の体験からすると、銀行マンが他の業種で活躍するためには、いくつかのハードルを乗り越える必要がある。
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