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銀行マンが転職できるか真面目に考えてみた“いま”が分かるビジネス塾(2/3 ページ)

メガバンクの大規模な人員削減計画が大きな話題となっている。そこで注目されるのが銀行マンの去就だが、彼らが他業種に問題なく転職できるのか考察してみた。

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銀行マンは世間が思うほど財務や経営に詳しくない

 確かに一部の銀行マンが、財務や企業経営に精通しているのは事実である。銀行マン出身の企業経営者が多いということからも、それはうかがい知ることができる。だが、銀行マンというのは、世間がイメージしているほど財務や経営に精通しているわけではない。その理由は銀行の一般的な業務内容にある。

 いわゆる商業銀行の基本的な仕事は、預金を集めてそれを管理し、資金を企業に融資することである。多くの行員は、預金を獲得したり、融資先を開拓したりするための営業マンであり、実際に経理や財務の実務をこなせる人は意外と少ない。

 以前なら得意先の企業に深く入り込み、経営者と懇意になってアドバイザー的な役割を果たす行員も多かった。だが最近では、本店主導で一括した審査を実施するのが主流となっており、各支店での裁量権はかなり小さくなっている。こうした環境では、行員は経営センスを磨きづらい。

 自ら高い意識を持ってコンサルタント的な仕事ができるようスキルアップを心掛けた人なら大丈夫だろうが、漫然と銀行マンを続けた人の場合、経営幹部として即戦力になれるのかは微妙なところである。

 では、営業マンとしてならば優秀なのかというと、これも個人差が大きい。

 一般的な企業と比較して銀行の立場は強く、多くの銀行マンは低い立場でモノやサービスを売り込む経験をしていない。預金の獲得や金融商品の販売において高い営業成績を上げた行員であれば、どのような商品でもうまく売り込めるだろう。だが、財務の話と同様、こうしたスキルを身に付けた行員はそれほど多くないはずだ。

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