AIがモデルを審査!? 「副業モデル」マッチングアプリの挑戦:人工知能が才能発掘?(3/3 ページ)
副業でモデルができるアプリ「週末モデル」が審査業務にAIを活用。ベンチャーと組み容姿や趣味などで評価させるという。でも、どうやって?
膨大なモデル選考業務を迅速に
このようにモデルの容姿、趣味嗜好、そして本業の職業という3要素を元に、マッチングの精度を上げていく。モデル審査にAIを導入した背景について筒井さんは「これまでのモデル審査はアナログで私見が入っていた。ビッグデータを入れてロジカルに審査を行いたい」と説明する。
さらに、AIを使う別のポイントとして筒井さんが挙げるのは、モデル選考という業務の膨大さだ。「企業がモデルを選ぶに当たり、オーディションや面接で決めるやり方もあるが、AIなら希望に沿った人材を(自動的に)スピーディーに選定できる」。
特に、週末モデルの案件のモデル料は平均で6万円程度。専業の著名モデルに比べて比較的低単価な副業モデルを数多く企業とマッチングさせる仕組みを取っている。応募者のプロフィール確認といった審査業務にかかる時間は膨大なため、AIによる迅速化が威力を発揮しやすいとみられる。
ただ、必ずしも審査のすべてをAIがすぐ代行するわけではなく、判断基準となるモデルや企業側のデータを蓄積する中で精度を上げていく方針。将来的には単なるモデルにとどまらず、インスタグラマーなどに代表される「インフルエンサー」(SNSなどで強い影響力を持つ人)と、彼らに宣伝を依頼したい企業とのマッチングにも応用していくという。
週末モデルはもともと、Web広告の需要が拡大する中で多くのモデルを求めるようになった企業側と、副業解禁の流れもあって気軽にモデルをやってみたい女性のニーズをマッチさせたサービスだ。
delさん(45、芸名)もその1人。フリーランスでやっていたセミナー講師の仕事を辞めて専業主婦になっていたが、子どものころからのあこがれだったモデルに改めて挑戦しようと18年に本サービスに登録。同年末にとある地域スーパーのチラシで、ミセスブランドのファッションモデルとしてデビューした。「(いつもと)違った世界をのぞいて、違う自分になれた」と満足している。
delさんのような副業モデルは潜在数が多いとみられ、専業のプロモデルに比べて趣味や職業も多様だ。MONOKROMの筒井さんは「道を歩いている女性を芸能事務所の社長がアイドルにスカウトするような『偶然』頼りだけでなく、AIを使うことでこうした副業モデルたちの才能を見出だせる確率を高めていきたい」と話す。
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