働き方改革と無縁の「深夜国会」 膨れ上がる税金と“魔”の高揚感:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/4 ページ)
新年度予算案の衆院通過を巡って「深夜国会」が開かれ、衆院職員の残業代が一晩で1800万円に上ったことが話題になった。さまざまな議論があるが、筆者が注目するのは深夜国会の「高揚感」。危険な高揚感で満たされないように「国会とは何か」を議論すべきだ。
ただいま3月1日午前1時。本会議は午前2時再開、終了は午前4時ごろの予定です。このようなことに一体何の意味があるのか、全く理解に苦しみます。午後9時から予算委員会の締めくくり総括質疑に立ったのですが、答弁は相も変わらず無内容、無反省の極み。熟議、と言いながら野党の案を一顧だにせず、財政をさらに危機的にしてバラマキを続ける予算案のどこがベストなのか。
(中略)
主義主張、政策の一致による政界再編しか道は無く、自民党こそがその中核にならなくてはと改めて痛感させられますが、マニフェスト絶対を叫ぶ小沢一派と一緒にやれないことは当然として、そうでないグループの中も玉石混交という気がしてなりません。答弁や野次(やじ)の内容を聞いていると、一緒にはとてもやれない人が明らかになってきます。(石破茂オフィシャルブログより)
実はこれ、2011年3月1日に、石破茂氏が自身のオフィシャルブログに書いた内容を抜粋したものです。当時は菅政権、自民党は野党でした。
あれから8年がたち、安倍政権になった今も「このようなことに一体何の意味があるのか、全く理解に苦しむ」状況が続いています。
先日、与野党が対立した新年度予算案の衆院通過を巡る3月1〜2日の「深夜国会」において、衆院職員の残業代が1800万円にも上ったことが分かりました。
“残業”した衆院職員は889人。タクシー代は約150万円。1日の予算案審議を巡っては、立憲民主党など主要野党が根本匠厚生労働相に対する不信任決議案を提出して対抗。与党は予算の年度内成立を確実にするために衆院通過を急ぎ、深夜に衆院本会議を開会。結果、2日午前2時ごろまで続いたのです。
18年6月には小泉進次郎氏ら自民党の若手議員で構成する「2020年以降の経済社会構想会議」が国会改革案をまとめ、超党派の議連が結成されました。メディアは「永田町は一大ブームに沸いています!」的報道を繰り返しましたが、ブームはブームだけで終わってしまったのか。これだけ「残業削減だ!」「効率化だ!」と政治家さんたちは国民に訴えているのに、国会を見ていると「効率化ってなんだっけ?」とわけが分からなくなります。
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