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見えてきたホンダのMaaS戦略池田直渡「週刊モータージャーナル」(3/5 ページ)

ソフトバンクとトヨタ自動車が共同出資して立ち上げたMaaS企業「MONET」に、ホンダが資本業務提携する。同時に、MONETは88社が参加するコンソーシムも立ち上げた。なぜオールジャパンのコンソーシムが必要なのか。またホンダの狙いはどこにあるのだろうか。

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 そこでMONETはホンダ、日野と提携した28日、コンソーシアムを立ち上げ88社が参加するモビリティイノベーションを実現するための「なかまづくり」のコンセプトを発表した。


MONETコンソーシアムのイメージ。88社の中には、自動車関連会社だけでなく、コカ・コーラやジェーシービー、JTBや順天堂、セコム、竹中工務店、東京海上日動、東急電鉄、日本航空、ファーストリテイリング、みずほ銀行、三菱地所、吉野家など日本を代表するそうそうたる企業が並ぶ

 われわれはこれから、MaaSを勝ち残っていくのはどこの企業かという視点で見ても、もう分からなくなる一方なのだ。すでに一社の力で勝てる時代ではない。そうではなく、どのコンソーシアムが可能性の広い仕組み作りをできているかで見ていかなくてはならない。

 一例を挙げれば「Googleが勝って、トヨタが負ける」という言われ方が非常に多いが、例えば、GoogleはMaaSに用いる車両をどこでどうやって整備するのか? あるいは流通中継地をどうやって確保するのかという視点で見た場合に、活用できるアセットを何一つ持っていない。逆もまたしかりだ。おそらくこういう事業には事業ごとに最適化されたスマホアプリは欠かせない。では事業者ごとに専用のアプリを開発し、それをサポートする仕事をトヨタが全部できるのかといえばおそらく不可能だろう。

 野球の話でいえば、いくら凄いピッチャーがいても打線がダメなら勝てないし、守備が杜撰(ずさん)でも勝てない。チームとしての総合力が問われる。このチームに当たるのがコンソーシアムになる。

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