「お金に振り回される人」と「お金で幸せになる人」の決定的な違い:「お金」と「仕事」の本当の話をしよう(1/4 ページ)
事業売却や上場で大金を手にするビジネスパーソンが増えている。しかし、そのお金に振り回される人と幸せになる人がいる。どんな違いがあるのだろうか?
「お金」と「仕事」の本当の話をしよう:
日系企業のアジア展開支援をする「Asia Disruptive」及び社会課題解決型投資ファンド「ミッション・キャピタル」代表の金 武偉(キム・ムイ)氏が、外資系証券会社や米国大手ローファーム勤務などで学んだ「お金」と「仕事」のリアルをユーモアたっぷりに語りつくす。
日本に、億万長者が増えている。近年のベンチャー企業勃興とともに、事業売却や上場などで多額の売却益を手にする若者が増えているのだ。
海外の有名な事例にInstagramがある。2012年当時、社員は13人で売り上げもほぼゼロだったInstagramの開発会社は、約810億円(当時の為替ベース)でFacebookに買収されると報道され、世界中が沸いた。日本でも、「○○が創業した会社、○○○億円で大手の○○に売却」といった華やかな報道が見渡せる。
事業を売却しても上場しても、事業自体はその後も継続するので、ある意味では単なる「通過点」にすぎない。しかし、それでもさまざまな気付きやアイデアから事業を興し、それを赤の他人が大金を出して買いたがるほどの組織に仕立て上げたのは1つの大きなマイルストーンに違いない。筆者はExit(事業売却)経験がある全ての起業家たちに対し敬服の念を禁じ得ない。
上場担当証券マンによる億万長者への忠告
事業を売却(本コラムでは上場による持ち株の売り出しを含む)する人たちは、その莫大な現金を、何を思いながらどのように使っているのだろうか。よくよく見てみると、お金で幸せになる人と、人生を振り回される人がそれぞれおり、その違いには一定のパターンが見え隠れしている。
筆者の知人に、大手証券会社の上場担当者がいる。彼は、顧客である企業オーナーが上場を果たした際、次のようなアドバイスをするという。「この度は上場おめでとうございます。これからたくさんのお金が手に入りますね。ただしお気を付けください。これまで上場のお手伝いをたくさんしてきましたが、車、時計、クルーズを購入して、(東京都)港区の高級マンションに住みながらファーストクラスで世界旅行をしても、かかるお金は4億〜6億円程度で、そうした物欲は一巡するものです。一方で、全てのお金を失うのは、多額の事業投資を行う人たちです。事業投資にはお気を付けください」
なるほど、そういうものなのかと思いたくなる忠告だが、いまいち腑に落ちない。会社を上場させるほどのやり手なら、次の事業投資も成功させそうに思われるからだ。事業投資の全てが成功しないとは決して言えまい。では一体、事業投資で一文無しになる億万長者と、そうならない億万長者の差は何なのか?
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