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「もう、諦めるしかない」 中高年化する就職氷河期世代を追い込む“負の連鎖”:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(5/5 ページ)
40歳前後になった「就職氷河期」世代に対する支援に、国を挙げて取り組むことを安倍首相が表明した。しかし、就職時の不況や非正規雇用の拡大など、さまざまな社会的要因によって追い詰められた人たちの問題は根が深い。実効性のある支援ができるのか。
時間もお金も限られている
安倍首相が氷河期世代支援を訴えた経済財政諮問会議では、非正規雇用の正社員化を進めるにあたり「リカレント教育(学び直し)促進策を拡充すべき」という提言があったと報じられていますが、いったい「どこで、どんな風に、リカレント教育」を進めようというのでしょうか。
もちろんスキルの習得などの学び直しは必要です。しかしながら、40歳を過ぎると年老いた親の問題が加わり、じっくりと就職活動する時間的余裕も、スキルや資格取得に費やす時間も金銭的余裕も制限されます。
そんな状況下でどうやって、学び直しさせるのか?
「もう、諦めるしかない」――。この言葉の重さを考えて、実効性のある「氷河期支援策」を進めてほしいと心から願います。
河合薫氏のプロフィール:
東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。千葉大学教育学部を卒業後、全日本空輸に入社。気象予報士としてテレビ朝日系「ニュースステーション」などに出演。その後、東京大学大学院医学系研究科に進学し、現在に至る。
研究テーマは「人の働き方は環境がつくる」。フィールドワークとして600人超のビジネスマンをインタビュー。著書に『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアシリーズ)など。近著は『残念な職場 53の研究が明かすヤバい真実』(PHP新書)、『面倒くさい女たち』(中公新書ラクレ)
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