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「もう、諦めるしかない」 中高年化する就職氷河期世代を追い込む“負の連鎖”:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(4/5 ページ)
40歳前後になった「就職氷河期」世代に対する支援に、国を挙げて取り組むことを安倍首相が表明した。しかし、就職時の不況や非正規雇用の拡大など、さまざまな社会的要因によって追い詰められた人たちの問題は根が深い。実効性のある支援ができるのか。
「社会から置いてけぼりに」負のスパイラル
「連敗が続くと、まるで底なし沼にいるようで。あがけばあがくほど、沈んでいく。そういう自分しかイメージできなくなってくるんです。もう、諦めるしかないって。40過ぎて母親と2人暮らしで非正規だと、世間はまともな職につけない、どうしようもない『パラサイト中年』だっていう目で見ます。親戚からは『しっかりしなさいよ』とか、『お母さんも心配してるぞ』とか言われるし、だんだんと人と関わりたくなくなるんですよ。
人と会えば会うだけ、他人がねたましくなる一方で、自分が情けなくて。なんか社会から置いてけぼりになったような気分です」
彼は苦笑いしながら明るく話してくれましたが、経験した人しか分からない重い言葉の数々に、私は、どう返していいのか分かりませんでした。
彼の話からも分かるように、「氷河期世代」は就職時の不況に加え、小泉政権の構造改革による非正規雇用の拡大、さらには日本の会社組織がスリム化で管理職を減らしたことなど、さまざまな「社会的要因」が複雑に絡み合い、負のスパイラルに入り込んだ世代です。
単なる雇用形態の違いが「階級格差」になっていることも、もっともっと問題にする必要があります。
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