タイガー・ウッズ復活劇、勝利の裏で名を上げた“あの企業”:世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)
米プロゴルファー、タイガー・ウッズの復活劇が注目を浴びている。その裏には、暗黒時代にもスポンサーとして支え続けた企業の存在があった。その筆頭が、スポーツ用品大手のナイキだ。また、その中には日本企業も名を連ねている。
ウッズの“陥落”で、多くの企業が去った
まずウッズがたどってきた「陥落ぶり」を振り返りたい。1975年に米国で生まれたウッズは、父親からの熱心な英才教育を受け、幼少時代から有名なゴルファーだった。順調に才能を磨き、アマチュア時代には将来を嘱望されるゴルファーとして話題になっていた。96年にスタンフォード大学を中退してプロに転向するやいなや、次々と勝利を重ね、翌年には史上最年少で4大メジャートーナメントの一つであるマスターズで勝利を飾った。
その後の活躍は目覚ましいものがあった。全米オープン、全英オープン、全米プロゴルフ選手権、マスターズの全てで優勝するグランドスラムを繰り返すなど、若くして世界最強のゴルファーとして君臨した。
だが歯車が狂い出したのは、2008年に膝の手術を2度行ったあたりからだ。この年、全英オープンで予選落ちを経験した。
そして09年。ウッズの不倫スキャンダルが噴出する。この連載でも度々登場する米タブロイド紙、ナショナル・エンクワイアラー紙が、ナイトクラブ経営の女性との不倫を報じる。この報道をきっかけに、ウッズの妻だったスウェーデン出身のモデル、エリン・ノルデグレンが、ウッズの愛車をゴルフクラブで襲ったとして、破壊されたウッズのキャデラックの写真が大きく報じられた。
すると、ウッズの不倫疑惑が次々と噴出する事態に発展。結婚生活中の5年間で120人を超える女性と関係を持っていたという。これにより、ウッズはゴルフ活動の一時停止を発表した。翌年には、ミシシッピー州にあるセックス依存症のためのリハビリ施設に入ったことが報じられた。
このとき、多くの企業がウッズのもとを去った。スキャンダルを起こすと、企業はその影響に巻き込まれないよう、あっという間にスポンサー契約を解除するものだ。高級時計のタグ・ホイヤーを始め、コンサル大手アクセンチュア、自動車大手ゼネラルモーターズ(GM)などが契約を切った。
ただそんな中でも、ウッズを支えた企業もあった。その筆頭はすでに述べたナイキだ。
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