ネット全盛だからこそ見直したい「運命の1冊」を探すプロセス:積読(つんどく)にも効果あり(1/4 ページ)
まとまった休暇には読書をしよう、と決意しても、思い通りにいかないことも多い。どんなビジネス書を選び、どう読んだらいいのか。書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」を運営する“選書”のプロに聞いた。
10日間の超大型連休まであとわずか。「新しい時代を迎えることだし、心機一転、ビジネスパーソンとして成長しよう!」と、「読書」に時間を使おうと考えている人も多いのではないだろうか。
だが、その決意もむなしく、壁にぶつかってしまうことも珍しくない。膨大なビジネス書から、何を選べばいいのか分からない。意気込んでたくさん買ったのに、読み切れない。読んだけど、自分の仕事に生かせる気がしない……。
そんな読書の悩みに対して、“選書”のプロはどう考えるのか。書籍の「ダイジェスト」を配信するサービス「SERENDIP(セレンディップ)」を運営する、情報工場の藤井徳久社長に聞いてみた。
“イノベーション”への切実感で利用者増
――書籍ダイジェストサービスとは? なぜこのような事業を始めたのですか。
セレンディップは、毎週1000冊以上出版される書籍の中から良書を厳選し、3000字程度のダイジェストを作成してメール配信するサービスです。国内書籍3冊、海外書籍1冊を選んで、週4回配信しています。サービス開始は2005年なので、もう14年続いています。
このサービスを始めたのは、自分自身に必要だったからです。前職で新規事業の企画を出す機会があったのですが、急にアイデアを出そうとしても何も出てきませんでした。普段から情報収集することの大切さを痛感したのです。
――ダイジェストは要約とは違うのですか。
書籍の情報には3つのパターンがあります。まずは書評、2つ目が要約、そしてダイジェストです。要約とダイジェストは似ているように見えますが、まとめ方が違います。
要約は、書き手が自分の言葉で本の内容をまとめた文章で、時短で要点を吸収できることがメリットです。一方、ダイジェストは原文で構成されています。著者の表現をそのまま使うので、1次情報に触れられることがメリットです。映画で例えると、要約は全体のストーリーまとめ、ダイジェストは印象的なシーンを抜き出した予告編、といった感じです。
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