食パンの耳を取らずに、具をU字に挟んだだけの商品をファミマが開発した理由:新型サンドイッチ(1/2 ページ)
ファミマが食パン丸ごと1枚で具をサンドした新商品を発売した。一見すると「単に具材をパンで挟んだだけでは?」と思われそうだ。売れ行きは順調とのことだが、どのような意図で開発されたのか。
ファミリーマートは5月7日、食パンを1枚丸ごと使ってU字型に具材を挟んだ新タイプのサンドイッチ「グルメサンド チキン南蛮」(348円、税込、以下同)と「グルメサンド ナポリタン」(220円)を発売した。具材に立体感があるのが特徴で、販売数は「想定通り」(担当者)で推移しているという。
実際に食べてみたところ、従来のサンドイッチと比べて口を大きく開けないと食べられないばかりか、具材がこぼれやすいリスクがある。また、人によっては「単に具を食パンで挟んでいるだけでは?」という感想を抱きそうである。どうして、このような商品を開発したのだろうか。
やや苦戦している世代のテコ入れ
「グルメサンド チキン南蛮」は、シャキシャキとした食感のキャベツと、タルタルソース・南蛮ダレで味付けしたから揚げを食パンでサンドしたものだ。サンドイッチは2つ入っており、見た目のボリューム感が大きいのが特徴だ。
一方、「グルメサンド ナポリタン」はたまごサラダの上にナポリタンをのせ、食パンにサンドしたものだ。こちらはサンドイッチの数が1つだが、“炭水化物だらけ”の商品といえる。
グルメサンドに使用している専用の食パンは、耳まで柔らかくU字に折りたたんでも割れにくいのが特徴となっている。
開発の背景を担当者は「ボリューム感を出して、20〜30代の顧客に購入してもらうため」と説明した。ファミマで調理パンを購入している客層を分析したところ、20〜30代男性の購入割合が他の年代とくらべて低いことが判明した。
一方、同じ調理パンのカテゴリーで、20〜30代男性に強く支持されていたのがハンバーガーだった。バンズをふっくらさせて背を高くしたり、具材を増やしたりしてボリューム感を出した結果、売り上げが前年比2割増となった。また、いくら健康志向が高まっているとはいえ、コンビニにとって「がっつり」「大盛」をアピールした商品は根強く支持されているのが現状だ。
こういった傾向を踏まえ、ターゲット層に購入してもらうためには、ボリューム感を出すことが必要だと担当者は考えるようになっていった。
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