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ホンダの決算 バリエーション7割削減の意味池田直渡「週刊モータージャーナル」(2/5 ページ)

増収減益ながら、欧州の工場閉鎖など減益は一過性となるホンダの決算。そして来期に向けては、無駄な派生車種を3分の1に削減し、基礎設計を共通化する「ホンダアーキテクチャー」の導入も進める。

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 気になるのはやはり営業利益のマイナス12.9%だが、ホンダの説明によればこれは欧州の生産体制変更の影響であるとのことだ。工場の閉鎖に伴い設備投資を一気に償却しなければならないことに加え、休止中の労務費負担もある。これがホンダの説明通りであれば、利益率のダウンはあくまで一過性の問題ということになる。


為替の影響と欧州の生産体制変更など一過性の影響を除くと、実質的には増益だとホンダはしている

 確認のため19年度の見通しを見ると、市場の冷え込みによって売り上げの見込みはマイナス1.2%ながら、営業利益はプラス6.0%を見込んでいる。つまりマーケットの見通しは次年度厳しくなるが、それでも本年度の一過性のマイナス影響が消えることでプラスを予想できるということになる。もしこれがマツダや日産のような販売促進費の高騰によるものであれば、次年度にプラスの見込みは立たないはずなので、一応筋は通っている。

 全体的には妥当な決算であり、特に今後足枷(あしかせ)になりかねない英国とトルコの工場を、早期に切除しつつ、営業利益率を4.6%というラインで踏みとどまらせたことは評価に値すると思う。


ホンダの19年度業績見通し

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