ファーウェイの次に狙われる? 中国の「監視」を支えるあの企業:世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)
ファーウェイに続いて、中国の監視カメラ大手のハイクビジョンが米商務省の“ブラックリスト”入りするのではないかとうわさされている。世界トップシェアを誇る同社の監視技術の裏に何があるのか。そこにはファーウェイとの共通点もあって……
ハイクビジョンの世界シェアは2割
ハイクビジョンの監視カメラは、すでに世界各地で広く導入されている。例えば、インフラ施設や市街地、商業施設、イベント会場、アミューズメント施設、教育施設、医療関係施設、宿泊施設、空港などだ。2017年に世界シェアの21.4%を占めていると報じられている。
同社の資産は17年時点で320億ドル。米ブルームバーグによれば、23年までにさらに16%も成長すると予測されている。
米国ではカジノや大学、娯楽施設などにも同社の監視カメラシステムが導入されており、英国ではロンドン地下鉄に設置されている。その他、カナダ、ドイツ、イタリア、デンマーク、ハンガリー、ロシア、シンガポール、ニュージーランド、チェコ、韓国、ベトナム、フィリピン、パキスタン、ブラジル、アルゼンチン、イラク、オマーン、モロッコ、カメルーンなど100カ国以上で、市街地や施設などに入っているようだ。
08年の北京五輪や14年のサッカーワールドカップブラジル大会などの大規模イベントでも活躍したという。日本の正規代理店の公式サイトによれば、日本でも京都大学がハイクビジョンの監視カメラシステムを導入している。
ハイクビジョンは監視カメラだけでもいくつものラインアップをそろえている。しかも画像はきれいで、製品の評価も高いという。同社の監視カメラとAI(人工知能)のソフトを使えば、人の顔や身体的な特徴、または歩き方や行動などでも人物を特定できる。街に怪しい動きをしている人がいれば、すぐに察知できるらしい。
同社のリリースによれば、「13年にディープラーニング(深層学習)技術の実装を開始し、16年には警備業界に向けて各種ディープラーニング製品を発売した」という。そして、カメラがシステムに「目」を与え、NVR(ネットワーク・ビデオレコーダー)というシステムが「脳」となって分析を担う。同社の製品は、「人物の認識、監視、計算と、車の認識、探知という2方面で警備対応を支援する」という。
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