田原総一朗が憲法9条で安倍首相を斬る――「“改憲した総理”になりたいだけ」:参院選を前に「タブー」に迫る(5/5 ページ)
参院選を前に憲法改正にこだわる田原総一朗氏。そこには自民党議員も触れない「タブー」があった。単独インタビューで迫った――。
自民党議員は改憲から逃げている
――先ほど「自民党議員は改憲から逃げている」と言いましたが、なぜ彼らは逃げるのでしょうか。
田原: 怖いから。(改憲を)言い出すと選挙に落ちる。
――メディアも逃げている気がします。沖縄基地問題といった政治の硬い話題は、テレビで視聴率が稼げないという話も聞きます。
田原: 逃げている。完全に逃げているね。
――朝日新聞を始めとしたリベラル系だけでなく、保守系のメディアもですか。
田原: 保守のメディアは、どちらかというと安倍さんに乗っかっている。なぜ安倍さんが憲法改正を言い出したかと言うと、安倍さんの応援団である日本会議、百田尚樹さんとかがみんな憲法改正を打ち出したから。言わないと(安倍さんは)捨てられると。だから憲法改正なのです。
――彼らもまた、田原さんたちのような本質的な9条改正の議論はしていない、と。
田原: していないね。
――田原さん自身は、9条改正についてはどんな形がベストだと考えますか。
田原: 9条2項があるから、(自衛隊についての)議論ができないんだよね。一切、議論ができない。
――やはり「2項の削除」案を取るというわけですね。ちなみに田原さんは4月、安倍首相への単独インタビューを行いました。日米安保の話題も出ましたが、今の安倍さんに改憲について、どれだけ本質的な取り組みを期待できると感じますか?
田原: 恐らく、「戦後初めて憲法改正した総理大臣」になりたい、そんなものじゃない?(改憲の)中身は関係ない!
――ありがとうございます。後編では、ジャーナリストとしての田原さんの原点に迫りたいと思います。
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