「がんになりました」――そのとき会社は? 中京テレビが示した一つの“答え”:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/4 ページ)
中京テレビが放送した、アナウンサーの「乳がん闘病記」。「抗がん剤治療をしながらキャスターを続けたい」と希望した社員に対し、会社はどのように対応したのか。“病と生きる時代”に、治療と仕事を両立させる意義とは?
6月23日深夜。一人の働く女性のドキュメンタリーが放送されました。タイトルは「私…がんになりました。アナウンサーの乳がん闘病記」。主人公は、中京テレビ放送で夕方のニュース番組のメインキャスターを務める、恩田千佐子アナウンサーです。
2017年10月、50歳のときに乳がんと宣告された恩田アナは、そのひと月後に番組で乳がんを告白し、休養に入りました。「初期の発見」だったこともあり、2週間の休養後は番組に復帰する予定だったそうです。
ところが、手術をしたところリンパに転移していることが発覚。再発の可能性を少しでも低減するために抗がん剤治療を選択しました。
私が注目したのは、ここからの会社側の対応です。
中京テレビといえば今からちょうど1年前に、小松伸生社長が定例記者会見で、働き方改革の一貫として「飲み会は原則1次会で終了」「会議での社長の一言を廃止」を明言し、物議を醸した企業です。
当時の問題については、こちらの記事(中京テレビの「2次会強要禁止」、“飲み会も仕事のうち”は変わるのか )で書いた通り、私は中京テレビの取り組みを「これぞ働き方改革!」と全面的に支持。一度も中京テレビさんでのお仕事はありませんが(苦笑)、勝手に応援させていただきました。
ですから、「がんと仕事」の両立にどう向き合うのか? 日本女性がかかる割合(罹患率)がトップである「乳がん」という病と女性活躍を、どう結び付けるのか? がんと仕事の両立に関しては、これまで何本ものコラムを書いたので、余計に興味津々だったのです。
……では、実際はどうだったか?
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