集団左遷は現実にあるか? 現役銀行員が語る「廃店」と「支店長」:銀行員が解説 ドラマ「集団左遷」のリアル【前編】(1/4 ページ)
ドラマ『集団左遷!!』が終了しました。今回は「集団左遷のリアルはあるのか?」をテーマにして、現役銀行員の筆者が「集団左遷は現実にあるか」「熱血支店長は本当にいるのか」を解説します。
先日、TBS日曜劇場『集団左遷!!』が全話終了しました。
銀行が舞台のドラマで、同枠『半沢直樹』と比較されたり、主演の福山雅治の演技が話題になったりなど、注目を集めた作品でした。
『半沢直樹』のときもそうでしたが、銀行員である私はドラマを毎週楽しみにする反面、日曜の夜というタイミングも加わり、翌日の仕事に思いをはせるなど、少し複雑な心境で視聴してきました。
そこで今回は「集団左遷のリアルはあるのか?」をテーマにして、銀行員の私が、ドラマを見て感じたいくつかの違和感についてお話ししたいと思います。「銀行を舞台にしたドラマと現実」といった切り口で、完全に内容が分かってしまう「ネタバレ」とは少し違う話になると思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。
検証1:集団左遷は現実にあるか
検証2:熱血支店長は現実にいるのか
検証3:不正行為はできるのか
検証4:ドラマの中で気になった場面
集団左遷は本当にあるのか?
ドラマ『集団左遷』では、廃店が決まっている支店の支店長となった主人公の奮闘を描いていました。
集団左遷は現実にあり得ない。これが私の答えです。
懲罰的な意味合いでの「左遷」
あからさまに、しかも1カ所に集めまとめて左遷するなど少なくとも上場企業、ましてや公共性が求められる銀行では考えられないことです。
実績重視であることは、ある意味他の業界より厳しいことは事実で、その弊害として不正融資やニュースをにぎわす不祥事の遠因になっていることも否定できません。
しかし、実績の芳しくない「ダメ社員」は給料面でエリートと差が開いたり、配属先がへき地になったりなど、本人がそうした待遇に耐えられるなら勤務し続けるでしょうし、イヤなら辞めていく、ただそれだけのことです。
こうした話は何も銀行に限ったことではなく、競争社会ではどこの会社にもあることです。
ですから廃店が決まっている店にダメ社員を集めること自体現実性に乏しく、やはりドラマであると感じます。
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