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不正行為は本当にできる? 現役銀行員が語る「隠蔽」と「情報管理」:銀行員が解説 ドラマ「集団左遷」のリアル【後編】(1/4 ページ)
ドラマ「集団左遷」のリアルをテーマにしたコラムの後編。現役銀行員の筆者が「不正行為はできるのか」「情報の取り扱いについて」を解説します。
先日終了したTBS日曜劇場『集団左遷!!』。銀行を舞台にしたドラマの中で出てきた、政治家への賄賂といった「不正行為」、そしてその資金を作るための「不正融資」。こうしたことは現実にできるのでしょうか?
→【前編】集団左遷は現実にあるか? 現役銀行員が語る「廃店」と「支店長」
不正行為はできるのか
答えは「不正行為はできてしまう」です。
銀行では全てコンピュータによるさまざまなシステムが構築され、不正を防ぐというよりは不正することができないシステムになっています。
しかし、どんなに高度なシステムも作ったのは人間、また運用するのも人間ですから「不正行為はできてしまう」と言えます。
不正はすぐバレるシステムになっている
例えば融資では、融資案件の稟議や書類作成から契約、そして融資を顧客口座に入金するところまでほぼ全て機械化されており、人間の手作業は、契約書類に署名捺印するところくらいです。こうしたシステムにおいて、不正融資はできない仕組みになっています。
もちろん上記のように運用は人間ですので、途中で不正することがあるかもしれませんが、必ず発覚するようになっています。
ドラマのように、不正融資で作った裏金を隠し口座に入れるなどできません。繰り返しますが、仮に無理やりやったとしても文字通り無理やりの行為ですからすぐにバレます。代々の支店長が秘密を隠し通すなど不可能です。
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