集団左遷は現実にあるか? 現役銀行員が語る「廃店」と「支店長」:銀行員が解説 ドラマ「集団左遷」のリアル【前編】(4/4 ページ)
ドラマ『集団左遷!!』が終了しました。今回は「集団左遷のリアルはあるのか?」をテーマにして、現役銀行員の筆者が「集団左遷は現実にあるか」「熱血支店長は本当にいるのか」を解説します。
孤独だからこそ、熱血支店長はあり得ない
ある支店長からはこんな言葉を聞いたことがあります。
「支店長になると、下ばっかり見ていると上には上がれなくなるんだよ」
下とは部下のこと、上とは出世のことです。部下のことばかり考えている支店長は出世できないということなのです。
実際に私が見てきた支店長の中には、常に派閥や人脈のことしか考えておらず、目の前の行員とは話すらしようとしない人もいました。
この人とは3年間一緒の支店で仕事をして、すごく出世をしましたが、面と向かって会話したのは2回くらいしかありませんでした。そして、上記の支店長につかず離れずそばにいた人間はどんどん出世して、今では皆支店長です。彼らは共通して上(支店長)しか見ていませんでした。
私情がこもっているかもしれない点、否定はしませんが、個人差はあっても支店長になる人間とはこういう人種なのでしょう。
ですから、ドラマのような「部下思い」で「部下のためなら我が身のことなど顧みない」熱血支店長はあり得ないといえます。
私の経験として残念な結論ではありますが、この部分はドラマのほうが現実であってほしいとも思っています。(加藤隆二)
著者プロフィール:
加藤隆二
バブル期に入社して、以来銀行一筋30年。お金にまつわるさまざまな相談にこたえてきました。時には返せなくなってしまった人からの相談にも、可能な限り親身になって対応してきたつもりです。銀行員として「あなたのために、なにができるか考えます」。最初の挨拶はいつもそう言ってきました。年を重ねた今も、気持ちは変わっていません。銀行員として、読者である「あなたのために」役に立つ文章を書いていきたいと思っています。
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