この記事は榊巻亮氏のブログ「榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』」より転載、編集しています。
「働きがいのある会社」に共通しているものは何なのか――。本連載では、その疑問に答えるべく、「働きがいのある会社」ランキング上位に選ばれた5社(コンカー、gCストーリー、freee、マルケト、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ)の勉強会「QOWL」の活動を通じた各社の取り組みを紹介しながら、働きがいを高めるための秘訣(ひけつ)と施策を探っていく。
連載の第1回では、働きがいを高める取り組みで目指すべき「4つの状態」を明らかにし、第2回では、「経営理念の伝播・共感」について解説した。3回目となる今回は、「企業カルチャーを示し、社員がそれを『当然だよね』と思う環境を保つ」ための取り組みについて紹介する。
「働きがいを高める4つの状態」と取り組み事例
- 働きがいのある会社に共通する「4つの要素」
- 「経営理念が伝播(でんぱ)・共感された状態」を保つ
- 企業カルチャーを示し、社員が「当然だよね」と思う環境を保つ ←※今回はここ
- インターナルコミュニケーションをデザインし、良好な状態を保つ
- 社員の“やりたい!”を推奨し、サポートする環境を維持する
企業カルチャーを言語化して示す
企業カルチャーを示す取り組みも、QOWL5社の取り組みは共通しているところがあリながらも、それぞれの個性がはっきり出ていたのが、面白い発見だった。
カルチャーを言語化して社内中に掲示――ケンブリッジ
筆者が所属するケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズでは、こんなふうに企業カルチャーを言語化している。社内では、これらを「行動規範」や「価値基準」と呼んでいる。
- RIGHT: お客さんにとって正しいことをする。自分にうそをつく仕事はしない。
- OPEN: 遠慮せずストレートトークで、フラットに。お互いに教え合いながら。
- Have fun!: 成長感、疾走感、貢献感を味わいながら楽しくやろうぜ。
- FAST: さっさとやろうぜ。スピードにはそれだけで価値がある。
- RESPECT: 仲間に敬意を払おう。誰しも尊重すべき個性があり、それを輝かせることが成功につながる。
- Take Initiative: おのおのがやりたいこと、やるべきことを構想し、主体的に取りにいこう。
さらに、これらをオフィスのあちこちに掲示している。
カルチャーをアイコン付きで可視化――freee
freeeは、カルチャーをアイコン付きで言語化し、整理している。
「アウトプット→思考」などは、特徴的で面白い。頭でっかちに考えるより、さっさとアウトプットしてそれを基に考えよ、ということだ。
これは、ケンブリッジとはちょっと違うカルチャーだなと思った点で、興味深かった。
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