2015年7月27日以前の記事
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中国で受け入れられた信用スコアは、なぜ日本で炎上するのか?専門家のイロメガネ(2/5 ページ)

筆者の育った中国では、スコアリングが当たり前のように行われ、多くの人がそれを受け入れている。そこで先行してうまくいっている中国の事例を紹介し、日本はどのような対応をすべきか考えてみたい。

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中国政府の「信用」の話を切り離して考える

 中国政府が行う信用計測は、普通に生活をしている限り不利益を被ることはない。これに対して、信用スコアは多くの中国人にとって非常に身近なものである。


「芝麻信用」(じーましんよう)

 芝麻信用で高いスコアになると、さまざまなベネフィットが受けられる。特に、信用スコアが高いと、ビザの発給申請をアリペイ経由でできるサービスは、非常にメリットが大きい。なぜなら中国人はどこの国に行くにも必ずビザが必要となり、申請にも非常に時間がかかるからだ。

 申請には銀行口座の残高も調べられ、基準を満たしていなければビザは取れない。これに対して、例えばカナダのビザならば、芝麻の信用スコア750点以上でアリペイから申請できる。銀行の口座残高の確認もいらない。

 その他、海外旅行に行った時の免税申請を並ばずにできる、ホテルやレンタカー、充電器、レンタルバイクのデポジットがいらない、プリペイド携帯が後払いで良くなる、信用でお金が借りられる、といったさまざまなメリットがある。


ビザ発給申請をアリペイ経由でできるサービス画面

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