“あの匂い”が漂う空間へ 工場併設「カルピス」ミュージアムに行ってきた:10月1日から一般公開(2/3 ページ)
アサヒ飲料は「カルピス」100周年事業として、群馬工場内の見学施設を10月にオープンする。カルピスの歴史や製造工程を“五感”で学べる。なぜカルピスのブランド発信に力を入れるのか。現地で施設を見学した。
2回の「発酵」を香りで体感
ところで、カルピスは生乳から作られる「発酵食品」なのだが、それをあまり意識せずに飲んでいる人も多いだろう。生乳から、2回の発酵を含む工程を経て、2週間ほどかけて完成する。ミュージアムでは、その製造過程についても掘り下げて学ぶことができる。
カルピスの歴代の容器やポスターを見て、製造工程に関する全体的な説明を受けた後に案内されるのが、ミュージアムの中央にある「はっこうのへや」だ。円形の部屋では、壁一面に発酵の様子が映し出される。「発酵タンクの中に入ったようなイメージ」だという。
カルピスの1次発酵は乳酸菌によるもので、これによってさわやかな酸味が生まれる。そして、2次発酵は酵母によるもの。甘酸っぱい香りのもとになるという。
薄暗い部屋の中で発酵工程を解説する映像を見ていると、どこからか香りが漂ってくる。この部屋には、発酵で生まれる香りを出す装置が設置されており、深呼吸をすると独特の香りを感じることができる。普段、カルピスを飲むときにはあまり香りを意識しないが、あらためてにおいをかいでみると、よく知っている香りだった。訪問時はまだ調整中で、香りをわずかに感じられる程度だったが、一般公開時には、カルピスの香りに包まれるような体験ができるようになるという。
香りを体験した後は、試飲コーナーだ。ここでは、3種類のカルピスをミネラルウオーターや炭酸水で割って飲むことができる。カルピスと水の投入量を示す2本の線が付いたプラスチックカップが用意されていた。このカップは使い捨てではなく、洗って再度利用されるという。ストローは紙製だった。
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