タピオカバブルは崩壊間近? 有力チェーン「ゴンチャ」が荒波を乗り越える条件:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
雨後のタケノコのように増殖し続けるタピオカ店。筆者はタピオカバブルの崩壊は近いと予想する。人気ナンバー1の「ゴンチャ」はスタバのように“文化”を創出できるか。
組み合わせは2000通り以上
ゴンチャは漢字で貢茶と書く。中国では古来、希少だった最高品質のお茶を皇帝に献上するしきたりがあった。貢ぐ茶、すなわち「貢茶」である。後世になって、お茶は大衆に愛されるようになり、世界中に広がっていった。
ゴンチャというブランド名には、中国の皇帝が愛したような上質なお茶を、カジュアルなスタイルで、日常的に顧客に味わってもらいたいという思いが込められている。
日本法人のゴンチャ ジャパン広報は、「台湾から仕入れた上質な茶葉を使用し、抽出時の湯温や抽出時間を茶葉ごとに変えて、それぞれの風味を最大限に引き出せるように、こだわりを持って提供している」と人気の秘けつについて説明する。
メインターゲットは20代後半の女性で、明るく落ち着いた雰囲気の店舗デザインを採用。顧客の自宅から勤務先・学校への動線に沿って出店している。大都市圏を中心に進出しているのが特徴だ。
顧客は来店すると、豊富なメニューから好きなドリンクを選ぶ。次に、甘さ、氷の量、3つまで選べるトッピングを決める。これらを自在に組み合わせれば、自分好みのドリンクを提供してもらえる。カスタマイズの組み合わせは2000通り以上にもなる。
ゴンチャでは、カスタマイズされた台湾茶をスペシャリストであるティー・コンシェルジュが提供する。あたかも、スペシャリティコーヒーの店で、バリスタがコーヒーをいれるのになぞらえているようだ。
ベースとなるオリジナルのお茶は、ブラックティー(紅茶/全発酵茶)、ジャスミン・グリーンティー(緑茶/不発酵茶)、ウーロンティー(青茶/半発酵茶)、阿里山ウーロンティー(同)の4種類。それぞれアイスかホットを選択できる。サイズはS、M、Lと3種類あり、Lはアイスのみが提供される。
想定利用シーンは、ブラックティーが「からだポカポカ」、ジャスミン・グリーンティーが「朝の目覚めに」、ウーロンティーが「こってりな食事に」、阿里山ウーロンティーが「リフレッシュに」。日本ではあまり見なかった、緑茶とウーロン茶と紅茶を総合的に扱う専門店というのが、大きな特徴だ。
ベースのドリンクには、泡立ちが特徴のミルクフォーム、ミルクティー、さらには果汁が入ったティーエード、ジュース、スムージーなどがある。
関連記事
- 「どさん子ラーメン」は今…… 急成長から衰退までの経緯と復活のシナリオに迫る
札幌みそラーメンの“伝道師”として急成長した「どさん子ラーメン」。かつては1000店以上を展開していたが、マネされるのも早かった。“衰退”したと思われている一方で、復活に向けた動きもある。 - レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - 埼玉発「ぎょうざの満洲」 消費増税に負けない“独自すぎる”ビジネスモデルに迫る
埼玉県発祥の「ぎょうざの満洲」。東京だけでなく関西にも進出し、着実に成長している。消費増税も恐れない独自のビジネスモデルに迫る。 - 「なぜ売れるか分からない」 ドンキ化したファミマの人気商品に幹部が困惑
ドン・キホーテのノウハウを取り入れた共同実験店が6月にオープンした。店舗の売れ筋商品を分析したところ、ある商品が上位に食い込んだ。ファミマの幹部は「なぜ売れるのか分からない」と原因を分析しきれていない。 - スシローの進化についていけなかったかっぱ寿司
かつて業界をリードする立場だったかっぱ寿司が、競合他社に次々と追い抜かれている。逆転を許してしまった背景にはいったい何があるのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.