新宿ミラノ座跡地の225メートル再開発ビル、東急が着工 観光に強い“エンタメの街”はどう変わる?:「屋外劇場」も現れる(2/2 ページ)
東京・新宿歌舞伎町で進む再開発計画。東急電鉄などが、約225メートルの高層複合施設の新築工事に8月から着工する。古くからエンターテインメントの街として発展してきたエリアは、どのように変わるのだろうか。
ビル頂部は「噴水が天に伸びる」デザイン
設計面では、都市景観や街との調和を意識している。ビルの高層部には、「水の勢いが噴水のように天に伸びる」イメージの個性的な頂部デザインを採用。新たなシンボルとしての発信力を高める。また、中層部より上の部分に温かみのある夜間照明を取り入れ、新しい夜の景観をつくる。低層部では、西武新宿駅前通りなど、周囲の照明とのつながりを意識し、歌舞伎町の夜のにぎわいと連続性を持たせるようにするという。
街づくりに寄与する部分としては、リムジンバスの乗降場として2台停車可能なスペースを整備し、西武新宿駅前通りのリニューアルも実施する。駅前通りリニューアルについては、地元の人たちとワークショップを開催し、街の顔となる駅前通りの位置付けやデザインなどを検討していくという。
また、再開発エリアは「シネシティ広場」を中心とする公共空間と隣接していることから、公共空間と一体的に感じられるような空間を整備する。シネシティ広場に面する部分は、広場とのつながりを意識した開放的なデザインとして、テラスや店舗、ビジョンなどを配置。施設内のにぎわいを外に開いていくようなイメージだ。さらに、広場を“客席”と見立てて屋外ビジョンとステージを設置することで、施設と公共空間が一体となった「屋外劇場」のような空間をつくる。
新たな高層複合施設が注目されているが、再開発計画では、施設を中心としたエリア全体の開発にも力を注いでいる。外国人を含めて、観光客が非常に多く訪れるエリアであるだけに、再開発の動向は観光施策に影響を与えそうだ。
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