中小企業が「優秀なスタッフを採用する秘訣」とは 「管理ゼロ経営」で注目の社長に聞いてみた:長谷川秀樹の「IT酒場放浪記」(5/5 ページ)
「報酬は“つらさの代償”なのか」「性悪説はなぜコスパが悪いのか」「なぜ“どうせうちの会社は”という感情が生まれるのか」――。管理ゼロで会社をまわす、ソニックガーデン社長の倉貫義人氏を直撃!
社員は10人くらいでいい、という考えが変わった理由
長谷川: 前に対談した時は、「社員は10人くらいまででよくて、それ以上会社を大きくしない」と言ってましたよね。
倉貫: 言ってましたね。でも、今は40人になりました。
長谷川: どういう心境の変化ですか?
倉貫: 僕は中二病だから(笑)、会社は小さくて少数精鋭の方がかっこいいと思ってました。最初の頃は本当に増やしたくなかったんですよ。ただ、さっきお話ししたような、「ハードルの高いプロセスを乗り越えてくる人だけ」を採用していても、そこそこ人数が増えてきて、15人くらいの時に「もう採用ストップしようかな」と考えたんです。
だけど、僕らは人のことを管理しないという方針で、みんな自分で自分のことをマネジメントしましょう、という考え方なんですね。人をコントロールしないのが信条なのに、小さい会社であるようにコントロールしようとしているのはおかしいな、と気付いてしまって、自然に任せることにしました。
よく「社員を100人にするぞ!」とか言う社長がいるけど、社員が増えるかどうかは社長が決めることじゃなくて、世の中から求められているかどうかだと思うんですよ。だから、人の数にはこだわらず、世の中やお客さんにどう貢献するかということに集中しようと決めたんです。すごく悩んだんですけどね。
【後編に続く】
ソニックガーデン 代表取締役 倉貫義人氏プロフィール
「納品のない受託開発」という月額定額&成果契約で顧問プログラマーを提供するソニックガーデンの創業者で代表取締役社長。アジャイル開発のエヴァンジェリスト。1974年生まれ。京都府出身。大手SIerにてプログラマーやマネジャーとして経験を積んだのち、2011年に自ら立ち上げた社内ベンチャーのマネジメント・バイ・アウトを行い、ソニックガーデンを設立。「納品のない受託開発」という斬新なビジネスモデルは、船井財団「グレートカンパニーアワード」にてユニークビジネスモデル賞を受賞。会社経営においても、全社員リモートワーク、本社オフィスの撤廃、管理のない会社経営などさまざまな先進的な取り組みを実践。2018年には「働きがいのある会社ランキング」に初参加5位入賞と、「第3回ホワイト企業アワード」イクボス部門受賞。著書に『管理ゼロで成果はあがる』『「納品」をなくせばうまくいく』『リモートチームでうまくいく』がある。ブログ:https://kuranuki.sonicgarden.jp/
メルカリ CIO 長谷川秀樹氏プロフィール
1994年、アクセンチュアに入社後、国内外の小売業の業務改革、コスト削減、マーケティング支援などに従事。2008年、東急ハンズに入社後、情報システム部門、物流部門、通販事業の責任者として改革を実施。デジタルマーケティング領域では、Twitter、Facebook、コレカモネットなどソーシャルメディアを推進。その後、オムニチャネル推進の責任者となり、東急ハンズアプリでは、次世代のお買い物体験への変革を推進している。2011年、同社、執行役員に昇進。2013年、ハンズラボを立ち上げ、代表取締役社長に就任。東急ハンズの執行役員と兼任。AWSの企業向けユーザー会(E-JAWS)のコミッティーメンバーでもある。2018年10月から現職。
制作:チームIT酒場放浪記
ホスト:長谷川秀樹
マッチメイク・企画協力:酒井真弓
執筆:やつづかえり
企画・編集:後藤祥子
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