「サンリオピューロランド」の来場者数が5年で約2倍 現地で見えてきた“勝因”とは:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/6 ページ)
屋内型テーマパーク「サンリオピューロランド」の売り上げが伸びている。来場者数も5年でほぼ倍になった。再成長している秘密を現地で探った。
客席が毎回ほぼ満席
「メルヘンシアター」で上演中の「KAWII KABUKI〜ハローキティ一座の桃太郎〜」は、18年11月からスタートしている。350席ある客席が毎回ほぼ満席となり、立ち見が出るほどの人気だ。20年の東京五輪に向けて、サンリオキャラクターのKAWAIIと、日本の伝統芸能である歌舞伎を融合させて、海外の顧客にも楽しんでもらおうといった趣旨。
監修は松竹で、脚本・演出・作詞にワンピースのスーパー歌舞伎などを手掛ける横内謙介氏、歌舞伎演技指導に市川笑三郎氏を迎えている。日本人なら誰しも親しんでいる昔話「桃太郎」をモチーフに、ミュージカルやダンスの要素を取り入れるだけでなく、プロジェクションマッピングも効果的に使っており、デジタル技術と融合した独特な舞台を構築している。
また、今夏は「ピューロ夏フェスLIVE!!!!」というライブショーや「ハローキティイルミネーションSPARKLE!」も行っており、音楽やイルミネーションが好きな顧客も取り込んでいる。
「ショーに出演するイケメンのダンサーを目当てに、毎日のように1人で来るお客さまもいます」(前出・林氏)とのことだ。
園内のメインイベントともいえる「ミラクルギフトパレード」は15年12月、ピューロランド25周年を記念して約8年ぶりに一新されたものだ。ピューロランドのシンボル「知恵の木」を囲む「エンターテイメントホール」で開催されている。
アートディレクターにきゃりーぱみゅぱみゅさんらを手掛ける増田セバスチャン氏、メインテーマの作詞・作曲にももいろクローバーZへの楽曲提供で知られるヒャダイン氏(前山田健一)を迎えるなど、日本のポップカルチャーの英知を結集。キティを主役に、マイメロディやシナモロールなどサンリオが誇る人気キャラクターがフロート車に乗って登場する。ストーリーは「かわいい」「なかよく」「思いやり」の大切さを訴える内容になっており、究極のKAWAIIを見せるといった意気込みを感じさせるステージ作りを行っている。
アクロバティックなダンスやポップな歌が楽しめるだけでなく、顧客が購入したシーンによって色が変わるミラクル・ライトによってイルミネーションに参加できる。体験型の新しいパレードとなっている。
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