居酒屋とカフェには脅威 増税を追い風にローソンが仕掛ける商品戦略:おつまみと朝食強化(2/3 ページ)
ローソンが惣菜商品の新作を発表。おつまみと朝食に注力。前回増税時は3%ほど売り上げが減少したというが、増税を追い風にできるか。
朝はカフェ需要を取り込む
夕夜間に買われる商品ニーズとして、おつまみの他に朝食需要も見込んでいる。「カフェに行く人をローソンに呼ぶ」(担当者)とし、パン商品に注力した。カフェの特徴を「ちょっと高いんだけど満足する」と分析し、品質にこだわった。
サンドイッチ商品では、具材を強化した「SAND FULL」シリーズを展開。「SAND FULL フルーツ」(同397円)では、キウイを2分の1個使用し、パッケージも断面図が見やすくすることでインパクトを高めた。また、「SAND FULL パストラミビーフとたまご」(同397円)も、コーヒー(Sサイズ同100円)と一緒に買ってもワンコインで収まるようにし、併売を狙う。
袋パン商品では、体を温める「温活」に注目し、レンジで温めるとさらにおいしくなる「レンジDEチーズココット」シリーズを新たに展開。従来の袋パンはレンジで温めるとしわしわになったり、水分が出てべちょべちょになったりしていた。そこで、米粉を配合し、油脂の成分を調整するなどで改善した。「出来たて感」を強調し、カフェで提供されるパンに対抗する。
ポイント還元で消費喚起
担当者によると、「前回の増税時には3%ほど売り上げが減少した」という。そこで、商品以外にも、キャッシュレス面で販促を狙う。クレジットカード「ローソン Ponta プラス」の会員向けに、ポイント還元を強化。これまではクレジットカードでの支払いが100円(税別)ごとに2ポイントを還元していたが、10月1日からは4ポイントに倍増し、即日還元する。
日本惣菜協会の発行する惣菜白書によると、惣菜市場は2017年に初めて10兆円を突破。18年も順調に拡大しており、08年から17年までのおよそ10年間で、122.3%の成長をしている。外食市場の成長率は104.6%であり、比較すると惣菜の伸びは顕著だ。チャネル別に見てもコンビニエンスストアの比率は最大の32.3%。コンビニの成長分野である惣菜にとって、増税は追い風となるか。
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