鉄道会社のダイヤ改正、どんな狙いがあるのか:空港アクセスを強化(3/4 ページ)
この秋、いくつかの鉄道会社がダイヤ改正を行う。ダイヤ改正の狙いは、どこにあるのか。各社の発表より、その狙いを考えてみたい。
京急のダイヤ改正、「座れる」を強化
京急電鉄は同じく10月26日のダイヤ改正で、「座れる」を重視することになった。平日朝ラッシュ時の着席保証列車「モーニング・ウィング号」を2本から3本に増発する(1号は踏切事故による車両破損の影響で当面の間運転休止)。これまで三浦海岸発の列車が2本だったのに加え、横須賀中央発の1本が加わる。
朝の時間帯の着席保証列車は好評で、満席に近いため、さらに増発して利便性を向上しようとするのが狙いだ。使用車両は2100形。座席が一部を除き進行方向を向いているのが特徴だ。なお、平日夕方・夜間の「ウイング号」は「イブニング・ウィング号」に名称変更する。
またこの車両を利用した快特の土休日運転列車の中で、下り9本、上り8本には「ウイング・シート」を導入する。泉岳寺〜三崎口間の快特で40分間隔の運行となり、乗車駅は指定されるものの、すべての快特停車駅で下車可能だ。
8両編成の2号車に「ウィング・シート」を設け、会員登録制サービス「KQuick」でのみ座席指定券を購入できるようにする。料金は、300円。
快特に使用される車両の中でも、3扉ロングシートの車両よりも、2扉進行方向向きの2100形は快適であり、デラックス感がある。京急のフラッグシップ車両として人気が高い一方、なかなか座れない。そういった状況を解決するために、京急は土休日限定ながらも「ウイング・シート」を設ける。
京急久里浜駅の近くには、JR横須賀線の久里浜駅もある。こちらの駅からは、自由席ながらもグリーン車を連結した列車が頻繁に運行されている。地域住民からは京急のほうが支持は高いようで、そういう選択肢があることは京急も承知していたのだろう。2100形快特の快適さと利便性を全面的に味わってもらうための方法論として、「座席指定車両」を導入したと考えられる。
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