ホワイト企業化が進むワタミ トップに創業者が再登板 「売り上げや利益は追求しない」:21年度までに「まあまあの会社」目指す(2/3 ページ)
2013年にワタミの役職を退いた渡邉美樹氏。「復帰は1000%ない」という発言を撤回して10月1日から代表取締役に復帰した。ワタミは14年から労働環境の改善に取り組み、今やホワイト企業と呼べるほどに改善。その一方で、業績はまだまだ不振状態にある。
「ワタミ=ブラック企業」はもう古い?
ワタミといえば、グループ企業のワタミフードサービス(現在はワタミフードシステムズ)の社員が自殺した件で「過労自殺」による労災認定を受けたり、13年にブラック企業大賞を受賞したりと、「ブラック企業」としての知名度が高い。一連の騒動について「ブランドイメージに対するダメージは大きかった」と渡邉氏は話す。
しかし、状況は変わり始めている。「ホワイト企業認定」などを行っている日本次世代企業普及機構(通称「ホワイト財団」)の診断で、ワタミは87点を獲得。認定基準が60点であることを考えると、かなりの“優良企業”といえる。同社では14年から経営最重要項目として「労働環境の改善」を設定。離職率も大きく改善し、16年3月には21.6%だったのが、19年3月には8.5%。業界平均17.6%のおよそ半分にまで下がっている。
「『ブラック企業』だという批判は、反省して全て受け入れる。過去を変えることはできないが、未来を変えていく」と渡邉氏。労働組合の代表者とも話し合い、円満な関係を築けているという。ただ、改革はまだ途上だ。求人サイトのリクナビ上で同社の2020年卒向け採用ページを見てみると、月給は20万3100円。このうち、月間119時間分のみなし深夜手当として一律で3万円、さらに営業手当として1万円が含まれている。1カ月にこれだけの深夜勤務があるのか、また基本給が低いのではないか、という質問が記者から飛ぶと、「業績を見ながら社員へ還元していきたい」と歯切れは悪かった。
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