連載
休日も“心”は疲弊 働きがいに影を落とす「休み方」の落とし穴:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(2/5 ページ)
2019年版の労働経済白書では「働きがい」を数値化して分析。「休み方」と働きがいの関係も調査された。ただ休むだけでなく、仕事から心理的距離を置いたり、仕事以外の時間をチャレンジのきっかけにしたりできる休み方をしないと、“心の疲れ”は癒やせない。
20代の若手ほど「働きがい」が低い
分析の結果、
- 正社員では29歳以下の若手ほど働きがいを感じていない
- 役職が上がるほど働きがいが高まる
- 働きがいが高い企業ほど入社3年後の定着率が高まり、企業の労働生産性も上がる
ことが分かりました。
具体的にワーク・エンゲイジメント・スコアで比較すると……、
- 正社員全体が3.42だったのに対し、限定正社員は3.51と高い
- 60歳以上は3.70だったのに対し、29歳以下は3.29と全体平均を下回った
- 「部長相当職以上」が3.76だったのに対し、「役職なし」が3.33と最も低い
という結果に。
また、職場環境との関係性では以下のことが分かりました。
- 職場の人間関係やコミュニケーションが円滑なほど、働きがいは高い
- 労働時間の短縮が進み、柔軟性の高い職場ほど、働きがいは高い
- 裁量権が高い職場ほど、働きがいは高い
- 将来のキャリア展望が明確なほど、働きがいが高い
- 非正規社員が差別的な扱いを受けていると感じている人ほど、働きがいが低い
……とまぁ、ここまでの結果だけなら先行研究を追従するもので、真新しいものではないのですが、興味深かったのが、今回の報告書では「休む権利」と働きがいの関連も分析していた点です。
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