連載
「さば」はなぜ「ツナ」を超えたのか? 熱血“さば”社長と外食産業の“必然”が生んだブーム:新連載・食の流行をたどる(4/6 ページ)
「さば」の大ブームが起きている。食のブームを分析してみると、いくつかの共通項目がある。さばブームをけん引した熱血社長の取材から見えてきた流行の条件とは?
中食分野で存在感が増すさば
中食におけるさばメニューの定番といえば、さばの塩焼き弁当ではないだろうか? 今や、スーパーやコンビニでは、さばを使ったテークアウトメニューが増えてきた。ほぐしたさばを使ったおにぎりや丼、トルコで有名なバケットにさばを挟んださばサンド、トルティーヤにさばを挟んださばロールなどを目にすることも増えてきた。
また、低糖質ブームに乗って大ブレークしたサラダチキンならぬ「サラダフィッシュ(さば)」もコンビニで販売されており、糖質を気にするダイエッターに人気だ。これは、そのまま食べてもおいしいが、サラダに乗せれば立派なごちそうになる。糖質が抑えられ、ダイエット時のランチにおすすめである。中食市場においても、その食べ方はバラエティ豊かになっており、さばを食べる習慣が定着しつつあるのだ。
また内食(家庭)の消費では、生のさばだけはなく、さば缶が大ヒット中だ。さばの水煮缶は料理に使いやすい。そのままサラダに乗せたり、煮物やパスタに缶のスープ使ったりすることもできる。また、納豆やオクラといったねばねば食材と混ぜれば、最強のご飯のおともにもなる。カレーの具材としてもおすすめである。
このように、さば缶は、さけのほぐし身やツナの扱いに似ているため、家庭でのアレンジも簡単なのだ。
関連記事
- 若者に人気のレモンサワーが“第2のハイボール”になりそうな3つの理由
レモンサワーが若者を中心に受けている。メーカーや飲食店もこぞって新商品を投入しているが、単なるブームに終わらず、“第2のハイボール”としての地位を確立できるか。 - 「どさん子ラーメン」は今…… 急成長から衰退までの経緯と復活のシナリオに迫る
札幌みそラーメンの“伝道師”として急成長した「どさん子ラーメン」。かつては1000店以上を展開していたが、マネされるのも早かった。“衰退”したと思われている一方で、復活に向けた動きもある。 - 埼玉発「ぎょうざの満洲」 消費増税に負けない“独自すぎる”ビジネスモデルに迫る
埼玉県発祥の「ぎょうざの満洲」。東京だけでなく関西にも進出し、着実に成長している。消費増税も恐れない独自のビジネスモデルに迫る。 - スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」がどんどん“ドンキ化” 一方で住民から不安の声も
スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」が“ドンキ化”している。運営会社は2022年をめどに、約100店舗を業態転換する方針だ。その一方で、生まれ変わる予定のアピタ岐阜店の周辺住民からは不安の声が出ている。 - 家賃が200万円もするのにスタバがもうかる理由
スタバは大都市の一等地に多くの店舗を構えている。1杯数百円のコーヒーを販売しており、店に長居するお客も多い。家賃が200万円以上するような場所でも利益が出せる秘密とは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.