日高屋グループの「焼鳥日高」が担う重要な“使命”とは? 省人化と満足度を両立させる戦略にも迫る:飲食店を科学する(2/5 ページ)
「日高屋」の運営会社が手掛ける「焼鳥日高」。焼鳥日高はグループ内における重要な使命を担っている。徹底した省人化と満足度を両立させるビジネスモデルとは?
焼鳥日高のビジネスモデルとは?
今後、重要となるのが成長戦略を担う業態の開発です。ハイデイ日高は、1日の乗降客数が5万人規模のJRの駅近くに出店しています。乗降客の生活導線に合わせて、複数の出口付近(一等立地)に店を構える戦略をとってきています。同社の公式Webサイトの物件募集ページによると、今後はJR・私鉄ともに1日の乗降客数が2.5万人の駅をターゲットにして、神奈川県、千葉県、東京都に重点的に出店していくとしています。ここにも「600店舗構想」に向けた出店意欲の表れが見てとれます。
飲食店が店舗拡大を行っていくと「物件取得」の問題に直面します。日高屋を出店する上での適正坪数は約30坪です。今後、新たに乗降客数が2.5万人規模のJR・私鉄沿線に出店していこうとしても、既に他の居酒屋チェーンなどが狙いたい物件の多くを押さえてしまっています。そこで、日高屋の業態フォーマットに適合しないような、小さな物件にも出店していく必要があります。
日高屋の適正坪数が約30坪であるのに対して、焼鳥日高の適正坪数は約20坪です。焼鳥日高は、日高屋が出店できない小坪の優良物件や、日高屋と競合する立地にも出店が可能です。
しかし、たとえ物件が獲得できたとしても、人材も獲得しなければいけません。「人材獲得」は、これからの外食企業が直面する最大の課題です。焼鳥日高はさまざまな省人化の取り組みを行うことで、克服しようとしています。
焼鳥日高の省人化を実現するビジネスモデルはどのようになっているのでしょうか。
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