日高屋グループの「焼鳥日高」が担う重要な“使命”とは? 省人化と満足度を両立させる戦略にも迫る:飲食店を科学する(3/5 ページ)
「日高屋」の運営会社が手掛ける「焼鳥日高」。焼鳥日高はグループ内における重要な使命を担っている。徹底した省人化と満足度を両立させるビジネスモデルとは?
小坪、省人化、圧倒的低価格を実現
実際に、焼鳥日高の店舗を訪れてみました。JR大宮駅の東口から歩いて3分のところにある「焼鳥日高 大宮すずらん通り店」(さいたま市)です。このエリアには数多くの大衆酒場が軒を連ねています。
店舗には、商品名を書いた札が掲示されています。「かわ191円」「つくね210円」(いずれも2本で)といったように、良心的な価格が一目で分かるようになっています。
店に入ってまず驚くのが、メニューのオーダーの仕方。立ち飲みカウンターにはメニュー表が置かれています。ここまでは普通の飲食店と変わりませんが、各テーブルには専用のデジタルタッチペンが置かれています。自分の食べたいメニューをこのペンでタッチしてみると「ご注文は“生ビール”ですね」という音声を発します。その後、数量などをタッチするとオーダーが完了します。
生ビールのオーダーが入ると、スタッフはキッチン内のプリンタから印字された伝票を見て、冷蔵庫から冷えたジョッキを取り出します。そして、全自動の生ビールサーバーにジョッキをセット。スタートボタンを押すと、サーバーが自動で生ビールを注ぎ始めます。あとはスタッフが注がれた生ビールをお客さまのもとに運びます。
つまり、スタッフのオーダーを取る時間と生ビールを注ぐ時間を削減しているのです。「その程度の時間を削減しても、大した効果にならないだろう」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、省人化を目的とした業務改善においては、こうした一つ一つのオペレーションを科学的に分析していくことが重要となります。
業務改善における原則は「作業工数が多い業務を改善する」ことです。飲食店においては「オーダーを聞く」「生ビールを注ぐ」という行為は、非常に工数が多い作業です。
では、この2つの作業を無くすことで、どれくらいの改善効果があるのかをシミュレーションしてみましょう。
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