日本企業は社員の「忠誠心」に甘えている 働きがいのある会社、コンカーのトップが警鐘:人材流出企業にならないためにすべきこと(4/7 ページ)
変化の時代に優秀な人材を確保するために重要なのは「働きがいのある会社」になること――。2年連続で働きがいのある会社ランキングで1位になったコンカーを率いる三村真宗氏に、働きがいのある会社であり続けるための取り組みについて聞いた。
業績目標の達成は「働きがい」の結果でしかない
――: 「業績目標の達成」と「働きやすさ」は、両立が難しいと思うんです。業績にばかり目がいくと、目先の利益にとらわれて働きやすさが失われていくことがありますし、一方で、働きやすさばかりに目がいくと、業績に対する意識が希薄になる――といった矛盾に悩むマネジャーも少なくないです。
三村: “業績”と“働きやすさ”は「二項対立的」に語られがちですが、私たちはもう1つ、「働きがい」という観点があると思っています。
「働きやすさ」と「働きがい」というのは違うと思っているんです。「働きやすさ」というのは、“長時間労働をしない”とか“働く場所を自由にする”とか、そういう話ですが、「働きがい」というのは、“いかに社員にワクワクしてもらうか”“いかに成長を実感してもらいながら力を発揮するか”というところだと思うんですね。
働きがいのある会社になれば、自ずとアウトプットの量が増え、その質も向上するので、それによって業績が上がるはずなんです。実際のところ、ミッションを策定したときに、私たちは「5年後、米国を除く世界のブランチでトップを獲得すること」を目指していたわけですが、それを実現できましたし、同じタイミングで「働きがいのある会社」ランキングの1位にも選ばれたんです。
この2つを達成したときに、他者の経営層の方々から、「業績」と「働きがい」のどちらが原因で、どちらが結果なのですか――と聞かれたのですが、明らかに原因は「働きがい」で、「業績」は、その結果なんです。
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