アイリスオーヤマがテレビ事業へ本格参入 目玉となる「なるほど機能」の正体とは?:テスト販売では10万台を出荷(1/2 ページ)
アイリスオーヤマがテレビ事業に本格参入する。目玉は「音声認識機能」で、AIスピーカーとは違い、完全オフラインで制御するという。対応可能なワードは27種類。ディープラーニングなどの技術を駆使している。18年11月からのテスト販売では、既に10万台を出荷しているという。
アイリスオーヤマが家電事業を強化している。同社は2009年に家電事業に本格参入。その後、13年に開発研究の拠点となる「大阪R&Dセンター」を開設。大手メーカーの退職者などを積極的に採用し、10年には100億円規模だった売り上げは、18年に810億円まで成長。19年もさらなる成長を見込んでいる。家電事業を中心に、グループ全体の売り上げも右肩上がりで成長を続け、18年には4750億円まで拡大した。22年度にはグループの売り上げを1兆円規模まで伸ばすことを目標に掲げている。
グループ売り上げ1兆円という目標を達成するために、アイリスオーヤマが新たに投入するのが「テレビ」だ。シリーズ名は「LUCA(ルカ)」。18年11月からテスト販売を行っていたが、得意とするユーザー視点を重視した機能「なるほど機能」を追加したモデルを、11月20日から順次発売していく。音響にこだわった「フロントスピーカーモデル」3種類とデザイン性にこだわった「ベゼルレスモデル」の4種類で、最も安いものは43V型のベゼルレスモデルの9万9800円(税別)。10万円台前半がボリュームゾーンとなったラインアップだ。
目玉となる機能は、「音声認識」だ。しかも、AIスピーカーのようにインターネットに接続する必要がなく、アプリなどへの登録も必要ない「完全オフライン」で認識する。同社によると、音声だけで操作できる機能は業界でもかなり珍しいという。
ユーザーがテレビに付属する音声操作リモコンに対して「ねえ、るか」「るか、テレビ」と話しかけることでリモコンが作動する。さらに、「電源を入れて」「音消して」などと呼びかけることで、対応した動作をリモコンからテレビへ赤外線で指示。操作できるワードは27種類が用意されている。また、ニューラルネットワークやディープラーニングにより、「寝起き」「酔っ払っている状態」などのイレギュラーな音声や、方言にも対応できるという。
同社は音声で操作できる家電として、LEDシーリングライトも既に販売している。ただ、こちらは音声操作リモコンがライトに内蔵してあり、テレビとは互換性がない。音声認識機能を搭載した家電について、アイリスオーヤマの石垣達也家電事業部統括事業部長は「オフラインの認識と、AIスピーカーのようなオンラインの認識との両輪で推し進めていきたい。リモコンが存在する家電では、極力全て音声認識を展開していく」と話した。
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