アイリスオーヤマがテレビ事業へ本格参入 目玉となる「なるほど機能」の正体とは?:テスト販売では10万台を出荷(2/2 ページ)
アイリスオーヤマがテレビ事業に本格参入する。目玉は「音声認識機能」で、AIスピーカーとは違い、完全オフラインで制御するという。対応可能なワードは27種類。ディープラーニングなどの技術を駆使している。18年11月からのテスト販売では、既に10万台を出荷しているという。
テスト販売では10万台を出荷
18年11月からのテスト販売は、アイリスオーヤマのECサイトや家電量販店だけでなく、同社の“主戦場”ともいえるホームセンターでも実施。石垣氏は「『大型のテレビに興味があるが、家電量販店で見ても高価格のものが多く購買に至らなかった』という人が、ホームセンターを訪問した際にテレビを見つけ、主に価格面に魅力を感じその場で購入するケースも多かった」と話す。
「ホームセンターで売れることは全く想定していなかった」と石垣氏は話すが、予想外の反響を受けて生産が追い付かないことに。19年の2月ごろからは十分な供給数を用意できたため、「18年11月から1年間の結果として『10万台』だが、実際はこの半年ほどで売れたものがかなり多い」と石垣氏。音声認識機能付きのテレビは、初年度で5万台の出荷を目指すという。中長期的な目標としては、液晶テレビシェアの10%を掲げた。
テレビ市場については、「国内では各メーカーの寡占状態にあり、技術競争に走ってしまった経緯がある。その結果、機能は充実しているが価格も高くなってしまった」と分析。高機能、高価格の国内メーカーとシンプルな機能に絞って低価格で提供する海外メーカーとで2極化しているとの考えだ。
アイリスオーヤマでは、「機能(Simple)」「価格(Reasonable)」「品質(Good)」の3つを取って「SRG」というコンセプトを掲げる。国内メーカーの土俵には上がらず、シンプルな機能に絞り、そこにユーザー視点の「なるほど機能」を追加して戦っていく。
電子情報技術産業協会が発表している「民生用電子機器国内出荷統計」を見ると、15年から17年まで液晶テレビの売り上げは前年比で減少傾向にあった(18年は104.2%に増加)。ただ、内訳を見ると大型のテレビはおおむね成長を続けている。アイリスオーヤマが展開するテレビも、43V〜65Vと大型のものだ。ゆくゆくは単身世帯向けにゲームに特化したモデルや、より小型のモデルも展開していくというが、まずは大型テレビで存在感を示したい。
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