ケンタッキーがこども食堂へ商品を提供開始 骨抜き後、カレーやスープの具材に:横浜市内から開始
日本KFCが11月から横浜市内のこども食堂へ、商品の提供を開始した。商品は閉店時に残ってしまったものを、冷凍したのちにフードバンク横浜を通して提供される。こども食堂では、骨を抜いたり再調理したりした後に子どもへ提供されるという。
日本ケンタッキー・フライド・チキン(日本KFC)は11月から、フードバンク横浜(横浜市)を通し、横浜市内の「こども食堂」に対して調理済み「オリジナルチキン」と「骨なしケンタッキー」の提供を開始した。
取り組みはKFC伊勢佐木町店から始める。同店の閉店後に余った商品を冷凍し、保管。フードバンク横浜からの要請に基づき、フードバンク横浜の物流ステーションを経由してこども食堂に届けられる。店舗での冷凍後、保管時や配送時も一定以下の冷凍温度で保存することで、食品の安全性も保てるという。この仕組みについては「地域活性化に関する包括連携協定」を締結している横浜市の協力によって構築した。
担当者によると、日本KFCでは、その日に店舗の周りで開催されるイベントや天候といったデータから、来店客数を予測し、商品の生産数を計算している。しかし、それでも一定数の商品は残ってしまい、社会的にも「フードロス」問題が浮かび上がる中、同社内でも課題となっていた。ただ、冷凍技術や保管方法、配送フローの構築など「お客さまのところまで食の安全性を担保しないといけない」(担当者)ため、なかなか解決に至っていなかった。今回制度を構築できたことによって、徐々に対象となる店舗を広げていくことも検討している。
商品が届けられたこども食堂では、解凍してそのまま食べるのではなく、安全配慮のため骨を抜き、再度調理を行う。担当者によると、衣を外した鶏肉をカレーやスープに入れるなどして提供されているという。
フードバンク横浜は、現在横浜市内にある5つのこども食堂と連携している。それ以外にも、いわゆる「ひとり親」世帯へ食材を提供したり、子どもがいる世帯で生活が厳しい世帯に対して、子どもが食べる1年分の米を無償で提供したりといった活動をしている。
関連記事
- 「無駄なことをやり続ける」 喫茶店不況の中、創業55年のレトロ喫茶が人気のわけ
喫茶店の倒産が相次いでいる。東京商工リサーチによると、2019年1〜8月の期間で倒産した喫茶店は42件。過去20年の中で最多ペースに並ぶ勢いだ。こうした中で、新宿にあるレトロな“純喫茶”が9月、新たな店を西新宿に出店した。店名は「珈琲西武」。新宿三丁目にある1号店は1964年にオープンし、今年で55年目を数えるほどの老舗純喫茶だ。喫茶店チェーンでは、200円台からコーヒーが飲める店も増えている中、珈琲西武のコーヒーは最低でも600円。それでも、平日や休日を問わず入店待ちの行列ができるほどの人気ぶりだという。 - ”着るこたつ”がワークマンから初登場 「価格破壊」を続ける理由を担当者に直撃
ワークマンが9月5日に秋冬商品の発表会を開催。今年の注目は”着るこたつ”。50度、45度、40度の3段階に温度調節でき、バッテリー付属。最大17時間持続する。昨年売り切れ店舗もあった「アルティメット」もリニューアルして登場。 - なぜファミマの社会貢献は「24時間テレビ」のように見えるのか
ファミリーマートの「ファミマこども食堂」をめぐって、激しいディスり合いが行われた。「売名行為だ」と批判の声もあれば、「悪いことだと思わない」といった意見も。企業の社会貢献で叩かれるケースと、そうでないケースはどのような違いがあるのか。 - 知ってるようで意外に知らない食品ロス問題を“そもそも”から考える
大きくクローズアップされるのになかなか解決しない食品ロス問題。そもそも、なぜ食品ロスは発生するのだろうか? 根本的な原因を考えながら、現実的な解決策を考えてみる。 - 「給与を上げれば退職者は減る」は本当か 経営層の考える「退職対策」と現場の乖離(かいり)が明らかに
「給与を上げれば退職者が減る」と考える会社役員は多い。しかし、給与の上昇は本当に退職率を下げる効果はあるのだろうか。トランスの行った調査で役員層と従業員の意識の違いが明らかになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.