脱「どこに行っても同じ店」 地域密着を進めるユニクロ、京都に新店舗:全店で地域密着を目指す
ユニクロが京都市内に地域に根ざした店舗をオープン。地域密着の「スペシャルフロア」を展開する店舗は全国で4店目だという。「どこに行っても同じ店」ではなくなりつつある。
ユニクロは11月22日、京都市内の商業施設「ミーナ京都」内の「京都河原町店」をリニューアルオープンした。同店は愛称として「京都ゆにくろ」を掲げ、地域に密着した店舗を目指す。
同店は地下1階から地上3階までの全4フロア、全900坪(約3000平方メートル)の売り場面積を展開する。石畳風のタイルを設置したり、格子のモチーフを使用したりと京都らしさを演出するという。
ユニクロは最近、こうした地域密着型の店舗展開を拡大している。その皮切りとなったのが2014年にオープンした吉祥寺店だ。広報担当者によると、同店が出店した吉祥寺駅周辺は商店街文化が根強く、大手チェーンの出店に対しても敬遠する雰囲気があったという。そこで、最上階の7階に地域とコラボしたフロア「吉祥寺スペシャル」を設けた。
吉祥寺店に対する地元からの感触がよかったことも踏まえ、以降は札幌、名古屋にも同様のスペースを展開。スペシャルスぺースを用意するのは今回の京都ゆにくろで4店舗目となる。今回3階に展開する京都スペシャルでは、京都にゆかりのある人物の作品や情報などを展示し、シーズンごとに変化させていくという。
広報担当者は、「こうしたスペシャルスペースの展開には一定以上の売り場面積が必要となる」と話し、こうした地域の大型店以外では、他の方法でアレンジを加え、基本的には全店舗で地域性を出していきたいとした。グローバル企業となったがゆえに、各商品や店舗に対しても同じようなイメージを抱かれがちなユニクロだが、新たなフェーズへ移行しようとしている。
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