JT、ピースの“リトルシガー”を数量限定で発売 高価でも若年層に人気:リトルシガー=安い、ではない?
JTが「ピース」のリトルシガーを発売する。数量限定での発売で、今回で3回目。「リトルシガー=安いたばこ」というイメージがあるが、ピースの投入で選択肢を広げる狙いがある。ピースは高価格帯のたばこだが、若年層にも人気だという。
日本たばこ産業(JT)は2020年1月29日、「ピース・リトルシガー」を全国の一部販売店にて数量限定で発売する。JTの販売する中でも高価格帯に属する「ピース」ブランドの商品で、同商品は過去に2回販売したことがある。過去2回とも好評を博し、3回目の販売となった。20本入りで550円(税込)。
同商品は「リトルシガー」に分類される。リトルシガーは紙巻きたばこや葉巻の中間に位置するようなジャンル。形状こそ紙巻きたばこ状だが、たばこ税法上は葉巻タバコとなる。たばこ税は1000本に対して設定されており、葉巻たばこは「たばこ葉1グラム」を「紙巻きたばこ1本分」として課税される。
つまり、リトルシガーに含まれるたばこ葉を1グラム未満に抑えれば、紙巻きたばこよりも税金を安くできる。このことから、JTはリトルシガーとして旧3級品に分類される「わかば」ブランドなどを展開。19年12月からは比較的安価な「キャメル」ブランドでも発売する。
「世間的には『リトルシガー=安いたばこ』というイメージもある。ブランドとして特に力があるピースでもリトルシガーを発売することで、選択肢を増やしていきたい」と今回の狙いを担当者は話す。過去2回の販売では、爆発的なヒットとまではいかなかったが、週末のゆっくりした時間のために購入されるなど、より「嗜好品」として先鋭的なシーンで利用されているという。
昨今ではたばこに対する風当たりが強まっている。特に若年層の間では喫煙者も減り、JTの調べによると「20代」の喫煙率は男性が23.3%で女性が6.6%。これは「60歳以上」に次いで、2番目に低い数字だ。ただ、ピースブランドは意外にも若者の購入が多いという。3回目の販売となるが、今後はピースの“新たな顔”として定番化していくのだろうか。
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