「無人レジだけ」「カメラがたくさん」 ミニストップの省人化実験店舗に行ってみた:続々進む「無人」と「省人」 気になるお店の狙いを探る(2/3 ページ)
ミニストップが省人化実験店舗を運営している。店内には無人レジしかない。実際に行ってみたら無人レジ以外でも実験的な試みをしていた。
天井には10個弱のカメラ
無人レジの近くには大きなディスプレイが設置されており、店内のカメラで撮影している映像が見られるようになっている。記者が確認できただけで8台のカメラが天井に設置されていた。特に、レジ周辺にはカメラが集中していた。省人化店舗なので、万引きをけん制する狙いがあるのだろうか。そういえば、店の外には「店内スマートカメラについて」という貼り紙があった。その貼り紙には「お客の利便性向上を目的として、スマートカメラで撮影を行っている」「お客のプライバシーを守るため、個人が特定されない情報のみを取り扱っている」「取得する情報は、来店人数、性別、来店時における店内での移動経路、購買履歴」「個人を認識できないように加工した情報を、協力会社に提供することがある」という趣旨の記載がされていた。小売りチェーンの中には、お客の買い物行動を分析するために店内のカメラを活用しているところがある。記者が過去に取材した某チェーンでも、入口に同様の貼り紙があった。
食料品を中心にした品ぞろえ
365tableにはどのような商品が売っているのか。入口付近には、カップラーメン(108円)、レトルトカレー(78円)、フリーズドライのスープ(93円)などが並べられていた。パパっと食べるのにちょうどいい食品をアピールしている。
店内で売られている商品のほとんどは食料品だ。「酒・飲料」「お菓子・レトルト食品」「冷凍食品」「おにぎりや総菜」といったラインアップになっている。これだけ見るとミニスーパーとそれほど変わらないような印象を受けるが、冷凍食品コーナーには特に力を入れていた。アイス、から揚げ、ギョーザ、ブロッコリーなどがずらりと並んでいる。同じ店舗サイズのミニスーパーと比較しても、売り場面積や商品数は圧倒的に多い。ちなみに、「ガリガリ君」だけで少なくとも8種類置いてあるのが確認できた。コンビニ大手は消費者の中食ニーズが高まっている現状を受けて、冷凍食品に注力し始めているが、365tableは“冷凍食品推し”を特に強めているようだ。
お菓子やペットボトルをよく見ると、イオンのプライベートブランドである「TOPVALU(トップバリュ)」の商品がいくつもあることに気付く。また、おにぎり、弁当、パンなどにはミニストップブランドのものがあった。商品の品ぞろえにはグループの総力を結集している。
関連記事
- ミニストップ「おにぎり100円」がもたらした“意外な変化”
ミニストップが7月に始めた「おにぎり100円」施策。主力商品のおにぎりを最大30円値下げした。開始から3カ月がたち、効果はどれほど出ているのか。また、“100円”という値決めは成功なのか。狙いや現状について聞くと、意外な変化も見えてきた。 - 「なぜ売れるか分からない」 ドンキ化したファミマの人気商品に幹部が困惑
ドン・キホーテのノウハウを取り入れた共同実験店が6月にオープンした。店舗の売れ筋商品を分析したところ、ある商品が上位に食い込んだ。ファミマの幹部は「なぜ売れるのか分からない」と原因を分析しきれていない。 - カメラ売り場をどかして酒の試飲カウンターを設置したビックカメラの狙い
ビックカメラの酒売り場に試飲カウンターがじわりと増えている。1日で数百人単位が利用するほどにぎわってる店もある。新宿西口店ではカメラ売り場をどかして酒売り場に変えた。 - スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」がどんどん“ドンキ化” 一方で住民から不安の声も
スーパーの「アピタ」と「ピアゴ」が“ドンキ化”している。運営会社は2022年をめどに、約100店舗を業態転換する方針だ。その一方で、生まれ変わる予定のアピタ岐阜店の周辺住民からは不安の声が出ている。 - レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.