芸能人にも「セカンドキャリア」を “事務所圧力”に公取委が見解 「転職支援サービス」も:就職支援サービスも登場(2/2 ページ)
SMAPや「のん」さんの件で話題となった事務所の圧力。公取委も問題視し、新たな策をまとめ始めた。また、活動を続ける場合だけでなく、引退後の「セカンドキャリア構築」も課題になっている。そんな中、新たに登場した“エージェント”サービスも。
引退後のセカンドキャリアを支援
公取委の見解は、芸能人としてキャリアを続けることに関するものだが、芸能人から一般企業への就職を後押しするサービスも出始めている。
キャスティングを手掛けるエイスリー(東京都渋谷区)は12月、芸能人のセカンドキャリア構築をサポートするサービスを開始する。広報担当者によると、アスリートでは次のキャリアのあっせん体制がしっかりしているが、芸能人についてはなかなか構築されていなかったという。
ただ、数は少ないながらも一般職業へ転職する人は存在した。今後は芸能事務所と一般企業の両方にコネクションがあるキャスティング会社ならではの強みを生かし、サポートしていくという。具体的には、芸能界をやめた人からの応募や相談などに基づいて適性をチェック。希望する業界や職種に関する相談、ビジネスマナーやPCスキルの研修を通して就職を支援する。「転職エージェント」のようなイメージが近い。
「元芸能人には、厳しい上下関係で鍛えられた礼節やコミュニケーション能力、発信力に強みがある人が多い。自分では気が付かないような点も生かせるように後押ししていく」と担当者は話す。また、企業側も営業や広報といった知名度の高さが有利に作用する業種や、自社のブランディングにつながる人事部での採用に興味を示しているところは多いという。具体的な開始日時は明かさなかったが、12月以降、初年度に100人の転職をサポートすることを目標に掲げている。
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