「雇うべき障害者人数」外務省だけ引き下げへ 民間企業も未達成が多いのになぜ? 厚労省は「民間企業とは別の話」:在外公館業務の特殊性を鑑みて(2/2 ページ)
民間企業でもなかなか進まない障害者雇用。18年に水増しが問題になった外務省では、雇うべき人数を政令で減らす方針だ。いったいなぜ? 厚労省の担当者に直撃して聞いた。カギは「在外公館業務の特殊性」にあるようだ。
厚労省担当者は「民間企業とは別の話」
厚労省の担当者に今回の件について聞いたところ「在外公館業務の特殊性を考慮し、議論があった」と回答した。ただ、海外に駐在して業務をする職種としては総合商社などの海外駐在員や報道各社の海外派遣記者も該当する。
このことについて担当者は「民間企業とは全く別の話」とし、在外公館に勤務している職員は国家を代表して交渉に当たることや緊急時には邦人の保護義務があることを話し、業務の特殊性を強調した。
もともと、警察官や皇宮護衛官、自衛官といった特殊な業務に当たる人は、障害者雇用率算出の母数から除外することが障害者雇用促進法の施行令によって定められている。除外職員については「同種の職種が民間にない」といった要件がある。もし在外公館の業務が特殊なのであれば、そもそも最初から施行令で指定していればよい話だ。
担当者は「(18年の)障害者雇用水増しの問題もあり、官公庁では障害者雇用に注力している。今回の対応も永続的なものではなく、24年末までの時限措置だ」と話す。外務省では点字ブロックや就労ツール(拡大読書器)といった障害者職員のニーズに沿った設備を配備し始めている。また、人事課に「オフィス・サポート・チーム」を新設するなど、制度面でのより強力なサポートも開始した。しかし、19年12月見込みで雇用数は107人とまだまだ目標には及んでいない。
今回の措置が時限的なものであることや、在外公館業務の特殊性を担当者は強調した。民間企業も達成に苦慮する中、国民的な理解を得られるのだろうか。
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