「世代間格差」が明らかに? 人生、仕事への満足度、ともに「氷河期世代」が突出して最低 対照的に満足度が高かった世代は……:就活だけでなく就職後も苦労……
PGF生命が「人生の満足度に関する調査2019」の結果を発表した。人生、仕事とともに「就職氷河期世代」の40代が突出して低かった。つらい時代を乗り越えて就職しても、その後の満足度が低くとどまっているようだ。対照的に、両方とも高い満足度を感じている世代は?
プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険株式会社(PGF生命、東京都千代田区)は12月3日、「人生の満足度に関する調査2019」の調査結果を発表した。今回で5回目となる調査で、人生や仕事に関する満足度をまとめている。
「仕事・職業についての総合的な満足度」で、「満足している」という回答が最も少なかったのは男女ともに「就職氷河期世代」に当たる40代。満足していると回答したのは40代男性が23.7%、女性は36.7%にとどまった。
特に40代男性は20代男性(26.5%)とともに前回調査から大きくポイントを落とした。前回調査では40代男性が32.5%、20代男性は37.5%だった。なお、満足しているという回答が最も多かった世代は男女ともに「60代・70代」。60代、70代男性の56.0%、女性は59.5%が満足していると回答した。
仕事の満足度も「氷河期世代」が最低
「就業者」に限定した満足度の調査でも、同様の結果だった。世代別に見ると、満足していると回答した人の数は男女ともに40代が最低。40代男性は23.7%、女性は36.7%にとどまった。男女各年代でみたときに20%台だったのは40代男性のみで、突出して低い満足度が明らかになった。
こちらでも満足度が最も高かった世代は男女ともに60・70代男女だった。男性は55.1%、女性は51.0%が満足していると回答。50%を超えたのは全年代を見わたしても60・70代しかなかった。
仕事、職業の「報酬」に関する調査では、満足していると回答した人の割合は25.4%にとどまった。「その他」を除くと「公務員・団体職員」が最も高く40.0%で、最も低かったのは「自営業・自由業」の18.0%だった。
調査はネットエイジア(東京都中央区)協力の下、10月9〜11日の期間で行われた。20〜79歳の男女2000人を対象に、インターネット上で集計した。
関連記事
- 課長の平均年収は932万円、部長は? 外資との「格差」も明らかに
日本で活動する企業の報酬状況が発表。日系企業と外資系企業合わせて679社が参加した。調査結果では課長職や部長職の平均年収も明らかになった。日系企業と外資系企業の報酬格差も合わせて発表し、特に役職者以上で顕著な開きがあった。 - 働き方改革で“消えた”残業代はどこへ? 真にやるべきことは「効率化」「コスト圧縮」ではない
続々と進む「働き方改革」。2019年4月の関連法施行もあり、現場では効率化が進み残業時間も削減傾向にある。一方で、浮いた残業代はいったいどこへいっているのか。また、経営陣は人件費をどのように配分すればよいのか。企業アナリストの大関暁夫氏が解説する。 - ワタミは本当に「ホワイト化」したのか? 「ブラック企業批判」を否定し続けてきた“黒歴史”を振り返る
創業者である渡邉美樹氏が10月1日、ワタミに復帰。復帰会見では離職率の低下など、「ホワイト企業化」が宣言された。「ブラック企業」と批判され続けてきたワタミだが、本当に環境はよくなったのか。ブラック企業アナリストの新田龍氏が3回にわたり、ワタミの過去を振り返るとともに現状を検証する。 - 続々と声が上がる「就活セクハラ」への“NO!” 被害者は20代男性が最多 「女性だけ」の話ではない
就活セクハラに“NO!”の声が上がり始めている。セクハラに関する法改正が行われたが、就活生やフリーランスへの具体的な対策がないことに不満の声も。「Change.org」上のキャンペーンだけでなく、学生ネットワークも緊急声明を発表している。カギは男性側の当事者意識か? - 「給与を上げれば退職者は減る」は本当か 経営層の考える「退職対策」と現場の乖離(かいり)が明らかに
「給与を上げれば退職者が減る」と考える会社役員は多い。しかし、給与の上昇は本当に退職率を下げる効果はあるのだろうか。トランスの行った調査で役員層と従業員の意識の違いが明らかになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.