加害者は中高年男性がほとんど? 従業員へのハラスメント「カスハラ」調査:4割強が被害を経験
接客業を中心に問題になっている「カスハラ」。気に入らないことがあった際に、従業員に対して暴言や暴行を加える言動を指す。被害者の声を見ると、加害者は中高年男性が多いようだ。また、接客業経験者の方が、従業員に対して厳しい目を注いでいる傾向も。
総合旅行プラットフォームを運営するエアトリ(東京都新宿区)は12月23日、カスタマーハラスメント(カスハラ)に関するアンケート調査結果を発表した。カスハラは主に接客業で問題となっている、従業員に対してお客が怒鳴ったり暴行を加えたりするハラスメントを指す。
「『カスハラ』を受けたことはありますか?」という設問に「ある」と答えた人は47.1%。「ない」(40.7%)を上回る結果となった。被害を受けた人の声には「お弁当が辛いから返金しろと迫られた」「コップの水をかけてきた」といったものが並んだ。
これまでにカスハラの被害経験がある人に対し、加害者の性別と年齢を聞いたところ、最も多かったのは「50代男性」(33.6%)だった。2位以下は「40代男性」(32.8%)、「60代男性」(25.8%)と続く。男女間で10ポイント以上差が開くのは40〜60代だけだった。総じて男性が高い傾向にあり、女性が男性を上回ったのは「10代」のみ。男性が2.5%、女性が2.9%だった。
自身のカスハラ加害経験を聞いたところ、全体の5.4%が「ある」と答えた。接客業経験者と未経験者で見ると、経験者の方が高かった。未経験者が4.3%なのに対し、経験者は6.0%が「ある」と答えた。
カスハラをした理由で最も多かったのが「従業員の態度が悪かった」(65.1%)。接客業経験者と未経験者で最も回答数の差が開いたのは「従業員の態度が気に入らなかった」だった。未経験者が0%だったのに対し、経験者の29.0%が回答した。
調査は12月12〜15日の期間、20〜70代の男女796人を対象にインターネット上で行った。
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