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2019年デビューの良かったクルマ(後編)池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/5 ページ)

 恒例の新年企画は、1日と2日の連続で2019年に乗って良かったクルマについてだ。1日の前編では、デビュー順にトヨタRAV4、マツダMAZDA3、ダイハツのタントについて取り上げた。後編は、カローラとCX-30である。

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CX-30 売れ筋ど真ん中のSUV

 マツダは現在MAZDA2とMAZDA3を中核とする、スモールプラットフォームの刷新の最中にいる。第7世代といわれるこの新型プラットフォームは最初にMAZDA3に与えられたが、実は同時にMAZDA3を補完する関係に置かれたSUVも一括で企画されている。

 それこそがCX-30だ。2世代目の魂動デザインで、プレスラインに頼らない面の連続的変化によって、陰翳のデザインを取り入れた結果、MAZDA3は工業製品としての明るさを失った。


マツダのCX-30

 80年代、ホンダデザインが世の中にもてはやされていた頃、デザインの中心にあったのはその影の無い明るさだった。例えるならば無印良品的な、シンプルで明るく、スタイリッシュな方向性である。

 ただこうしたデザインは突き抜けた明快さがある一方で、奥行き感や、表情は乏しい。魂動デザインはむしろそれを重視して、緊張感の高いハイコンテクストなデザインを志向している。その方向を突き詰めていけば、MAZDA3のデザインがああなるのはとてもよく分かる。

 一方で、クルマは日々の生活の中で実用に供される。ベビーカーを積んだり、家具を買ってきたり、あるいは車中泊のようなこともするかもしれない。そういう人の生活の匂いを受け止める器としてMAZDA3は向かない。

 そこで、魂動デザインに破綻が出ない範囲で、SUVらしいユーティリティを備えさせたクルマが対の存在として必要になったのである。

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